「ピーターラビットの絵本」というシリーズの中の一冊です。ストーリーが短く、絵のタッチも同シリーズ中の他の作品とはちょっと異なる不思議な感じの存在です。
娘がこの本に気付いたのは全くの偶然で、愚図っているときにたまたま手の届くところにあった、適当な長さの絵本だったので急遽読んでみせたところ、気に入ってしまいました。二歳三ヶ月になったばかりの頃です。当時、ちょうど紅茶を飲むようになり始めた時期であったので、猫がティーポットを手にしている絵に興味を惹かれたようです。何度も指差ししては、「紅茶!紅茶!」と口にしていました。実際は、このシリーズを手にするのはもっとずっと後のことだと思っていましたが。
ストーリーは、年老いた猫が鼠をお茶に招待し、いろいろと意地悪をするものの、最後に鼠に上手く仕返しされるといういたってシンプルなものです。たんたんとしていて、可もなく、不可もなくというところでしょうか。絵は独特の雰囲気で、好き嫌いが分かれそうな感じではありますが、個人的には味があって良いように思います。それこそ、ティーカップの絵柄として良さそうな雰囲気です。娘もそこに描かれたものがちゃんと理解できていたので、二歳以上くらいのお子さんなら絵本としての受け入れは十分可能でしょう。というわけで、ピーター・ラビット・シリーズ入門の書として最適な一冊かもしれません。