学校や家や職場でいやなことがあったとき、「あ〜、どっか遠いところへいきたいなぁ〜」と思ったこと、きっと誰でもある。この絵本の主人公マーチンは、ママが赤ちゃんにかかりきりで質問にこたえてくれなくて、いやんなっちゃったので、とおいところへ行くことにした。カウボーイハットをかぶって、ひげをつけて変装をして。そして「とおいところ」を知ってるという猫のあとについていくと、、、。
モーリス・センダックは、こどもの(あるいは大人の、とも言える)地団駄を踏みたくなるような気持ちを、上手に汲み取って、ユーモアをもって昇華させてくれる作家だとおもう。この絵本もそう。「とおいところ」へ行ったマーチンには、ちゃーんと帰る場所がある。冒険と安心のある絵本。好きだなぁ。