ある日、おなかをすかせた子猫がある家に紛れ込みます。そこにはすでに年老いた大きな猫「ちょん」がいたのですが、その子猫をむかえいれ、名前を「ごんごん」とつけてくれ、家の主人に飼って貰うまで手配してくれます。それから毎日「ごんごん」は「ちょん」にくっついて歩き、様々なことを学びます。おしっこの仕方、木の降り方、池に落ちたときすぐに助けてくれたり、鶏のと距離の取り方、モグラに用心することなど・・・。そして「ちょん」が亡き後、「ごんごん」は自身で考えられる一人前の猫になり、それでもなお「ちょん」のように利口で強い猫になりたいと思うのでした。
「ちょん」は「ごんごん」に親の様にさまざまなことを「まあ、なにごとも自分で覚えるがかんじん。わかったか」とやんわりと諭す様に教えます。ネズミをとってきたときはちゃんとしっかり誉めてくれ、ある程度危険なことも目をつぶってそっと見守り、そしてピンチのときは即助けてくれ、注意をし、なめて慰めてくれます。ついつい危険だからと子供の好奇心の芽を摘んでしまったり、上手く注意できなくてガミガミしかってしまう私はこの絵本で多いに反省させられました。「ちょん」が死んでしまうシーンでは思わず泣けてしまうくらい・・・。「のん」といういやみな子犬も出てくるのですが、(いるいる、こんなひと)と思ってしまいました。子供も何かこの絵本から感じとっているようでしんみりとしていました。でもどちらかというとお母さん方に読んでもらいたい本です。