中国のお話ですが、日本の誇る童話画家、赤羽末吉さんの絵がとてもよくマッチしていて、素晴らしい絵本になっています。
龍の兄弟喧嘩で開いてしまった天の裂け目を縫うために、主人公サンが、妻となった山の王の娘と力を合わせて頑張る姿が描かれています。いわゆる英雄物語ですが、タイトルが主人公の名前ではなく、『ほしになったりゅうのきば』となっているのが、どんなお話だろうと興味をひかれ、素敵です。
また、サンが妻を娶る場面で、山の王の一番目、二番目の娘が、「(天を繕うなんて、)そんなつらいことはいや。あそぶことがすき。」と断るのが面白い。結局三番目の娘が「人々のために二人で天をつくろいましょう。」とサンの妻になるのですが、一番目、二番目の娘がダメで、三番目の末娘が成功するという、昔話のセオリーを忠実に守っているのがいいですね。
本のサイズも大きいので、5年生の教室で読もうと思ったのですが、10分という時間制限にどうしても収まらず、断念しました。
でも、いつかは大勢の子ども達に読んで聞かせたいものだと思っています。