お話しは1年生の設定ですが、友達関係でちょこちょこトラブルがある4年生のクラスで読み聞かせしました。
やや小ぶりの絵本ですが、飯野和好さんの絵にインパクトがあることや、本の右側に文章が書かれているので読みやすく、読み聞かせ向き、というか読み聞かせを意識してるのかなと思いました。
教室で何度かお漏らしをしたために、ちょっと疎まれている「しっこさん」。「わたし」もなんだか近づきたくなかったけど、クラスの金魚を死なせた男の子に憤慨したしっこさんに共感したときから、二人の距離がどんどん縮まっていきました。
子ども達も、自分達がよく使いそうな言葉が沢山でてきて、ゲラゲラ笑いながら聞いていましたが、「しっこさん」が「わたし」のお漏らしをカムフラージュしてくれた件では、驚きのまなざしを見せてくれました。
「偏見」は相手のことを良く知ろうとしないからもたらされ、それを崩していくのは「共感」であり、「寛容」であるのかなということを、子どもの目線での語り口の中からそっと教えてくれる良書だと思いました。