うさぎと、それを追うキツネがゆらゆらゆれる、シーソーのような橋の上で、身動きがとれなくなり、繰り広げる会話が楽しいです。危機に直面した二匹の様子が、二人芝居のようでもあり、掛け合い漫才のようでもあり、実に面白いです。
はたこうしろうさんの描く絵もまた、お話を盛り上げてくれます。特に、橋の下の濁流が、激しくしぶきを上げている様が、よく描けていて、本当に落ちたら怖いという臨場感を盛り立てているのです。
ラストのキツネの台詞は、何とも憎いですね。
しかし、きむらゆういちさんは、こういうシチュエーションを描かせたらピカイチですね。素晴らしい。