これまでの風来坊シリーズは、風来坊の木彫りの技術のほうがクローズアップされていた印象がありました。
今回は今までとはちょっと違うお話。
風来坊の優しさがジーンと胸にしみる作品です。
子の為に命を落とした母親を目の前にした風来坊。
そんな風来坊が作った木彫りは、人の命を何とも思わない侍に対する怒りの念をこめた不動明王像。
そして、さくらを見るのを楽しみにしていた母親を想いながら作った観音像。
風来坊は母親の最後の願いをかなえようとしたのです。
お経はよむことができない風来坊ですが、人の気持ちはちゃんとよむことができる心の優しいお坊さんなのだとしみじみと感じました。