『まどのそとのそのまたむこう』を彷彿とさせるセンダックの力作です。
物語自体は、もう少し宗教的で、戦争の悲惨さや母親の強い愛情など重たいテーマも盛り込まれています。
お話からも、絵からも力強いものを感じます。
最後の終わり方は、宗教的には、苦しみから解放され、自由になって永遠の幸せを掴んだということになるのだと思いますが、宗教色の弱い日本では、しっくりとくるものではないかもしれません。
私も、「良かった」というより、「え?そうなの?せっかくここまで頑張って生き抜いてきたのにそうなるの?」という印象を受け、ちょっと肩透かしを食らった感がありました。
ただ、しっくりくる結末ではなくても、この本の持つ得体の知れない凄さには圧倒されます。
内容も難しいですし、文章量も多いので、小学校高学年くらいからお勧めします。