森のそばで、ひとり貧しく暮らすマローンおばさん。
誰にも気にかけてもらえず、優しくされもしなかったのに、
寒い冬、次々訪れる弱った動物達に居場所を与えてやります。
食べ物も分けてやります。
「あんたの居場所くらい、ここにはあるよ」と。
アリーナ・ファージョンの美しく慈しみ深い詩。
そして見事な日本語訳は、声に出して読みたい独特のリズムです。
マローンおばさんは、自分の全てを動物達にわかちあい、
読むもの、聞くものにも大切なことを分けあたえてくれます。
この本を読み、佐藤初女さんを思いました。
アーディゾーニの多くも少なくもない絵が、
マローンおばさんの心をそのまま表現しているようです。