北極圏にも位置する北欧のラップランドに住んだ体験を織り込んだ作品。
ラップランドに伝わるお話が大好きで夢中になって読んでいたことがあたので、
思わず手にとって読み入ってしまいました。
絵本というよりは読み物に近い分量ですが、ラップランドでの生活が、
マリット・インガという少女の様子を追いながら描かれます。
トナカイと一緒の生活は移動を伴います。
寒い地方で暮らす工夫がたくさん詰まった生活様式がよくわかります。
昔ながらのトナカイでの移動もあれば、スノーモビルという車も使われているところが興味深いですね。
子どもたちも、自分用のトナカイを与えられたり、お手伝いをしたり、
日々、生活の知恵がこうやって伝えられるのでしょう。
もちろん、厳しい自然条件の中ですから、多くの人びととの協力も必要です。
そのあたりのやり取りもほっこりさせられます。
色鮮やかな民族衣装、オーロラ、クリスマスの様子。
まさしく本物のトナカイとそりでサンタクロースがやってくるのですから、
リアリティ抜群ですね。
子どもたちの様子もしっかり描かれているので、
子どもたちにも共感してもらえたら嬉しいですね。