何年か前まで、小学6年生の戦争教材でした。
7人の息子たちが徴兵されるたび、桐の木を植えていったおかあさん。毎日息子のようにかわいがり、話し掛け、ずっと帰りを待っていました。でも誰一人として帰ってこず、届くのは「戦死」の知らせばかり。しばらくして、戦死したはずの五郎が帰ってきました。そのときおかあさんは…。
私が習ったとき、涙が止まりませんでした。学芸会で劇にしたときも、会場からのすすり泣きを忘れられません。その後教員になり、逆に教える立場に。範読の時も涙が出てきてしまいました。子どもたちも泣いていました。
「戦争を教える」ことは大切です。でもこのお話は、解説などいらないほど、子どもでも心の中にしみこんでいきます。
残念ながら今は教材から外されてしまいましたが、ずっと語り継いでいきたいお話です。