クリスマスと言えば、必ずいろいろなところで推薦されていたこの絵本。表紙はいつも見かけていたけれど、実際手にしたのは今度のクリスマスが初めてでした。雑誌などで紹介されるたび目にしたページ……、ありました、ありました。セレスティーヌが手描きのクリスマスの絵にリボンをかけるところ。かたわらには星型が切り抜かれていたり、レモンやりんごにリボンがかけられていたり、紙のちょうちんが作られていたり。このページを見るだけでも、手作りっていいなとしみじみしてきてしまいます。
それてしまいましたがお話は、渋るアーネストおじさんをセレスティーヌが説得して、二人でクリスマス・パーティーを開くというものです。なんとサンタクロースまで自前。(もちろんアーネストおじさんが変身。)ストリートに捨てられていた廃物を利用して衣装を作るところなど、アーティスト魂をくすぐります。誰かのゴミは誰かの宝物になりえますよね。
クリエイティブな人に贈りたいクリスマス絵本です。バンサンの描画は驚きの一言。力のある作家だなと思います。お話はすべて会話なのに絵が語るので、それ以上の内容が伝わるのです。親子でバンサンの世界に魅了されました。