素朴な画風の原田泰治さんの作品ということでセレクト。
けんじ少年が田舎のばあちゃんの家を訪ねる紀行記。
電車とバスを乗り継いだ山間の古民家、囲炉裏もあるのです。
そこで、いとこでしょうか、ひでくんととこちゃんと、
村祭りなどをたっぷり楽しむのです。
細部まで描きこまれた風景は、まさに日本の原風景。
絵本というよりは、画集に文章が添えられている、といった印象でした。
原田泰治さんの作品の人物には顔が描かれていません。
でも、表情や人柄が立ち上ってくるのですから、不思議です。
子どもらしく、山でたっぷりと遊ぶけんじの姿が、素敵でした。
けんじと一緒に、田舎の生活を体感したような読後感でした。