私自身が幼稚園の頃に大好きだった1冊で、娘が2歳ころに購入しましたが、楽しめるようになったのは3、4歳からです。
絵は可愛らしいというよりは、古めかしい絵ですが、とても惹きつけられてしまいます。
主人公ぶたぶたくんは、おかあさんにおつかいを頼まれます。「ぱんやさんに、やおやさん、そしておかしやさんですきなものをかってきてもいいわ」と。
ぱんやのおじさんの言葉づかいも印象的で、「かんしん」「じょうとう」は、大人になった今でも不思議と耳に残っています。
そして変わった「かおつきぱん」も不気味で印象深いのです。
やおやのおねえさんは、はやくちおねえさん。娘はここが大好きです。早口で一気に読むとゲラゲラ笑い「もう一回読んで!」と必ず2回読まされます。
おかしやさんのゆっくりおばあさんも、ゆっくり読んであげます。
一番のクライマックスは最後、来た道を戻ろうとするぶたぶたくんに「ここまできたら、このままさきへいくほうがずっとちかみちだよ」といわれ、ともだちが途中まで一緒にいってくれるのです。
ともだちと別れたあと、きゅうにしんぱいになってしまうなか、ぼくのうちとおかあさんがみえてくるところで、娘は心底ホッとした顔をします。
ひとりでおかいもの、という幼児期にはとても興味のあることが題材で、娘も一緒になって「やおやさんではじゃがいもとトマトだよ!」などと声をあげたり、一緒に不安になったりしながら、最後には達成感を感じられる絵本です。
そしてお楽しみは最後のページ。ぶたぶたくんが歩いてきた道のりが、地図になって描かれています。
とってもわかりやすい地図なので、4歳でも十分楽しめます。
このページにくると必ず「貸して!」と絵本を取り上げて、「ここから出発して、ぱんやさんでかおつきぱんを買って・・・」とひととおり説明してくれます。
私自身も、子どもの頃はこの地図のページが大好きで、なんだかわくわくしたのを覚えています。
私が生まれる前に出版された絵本のようですが、今も読み継がれるのには、やはりそれだけの魅力がある絵本だと思います。