絵も雰囲気もさることながら、私はこの絵本の何が好きって文章が好きです。
ラチが世界で一番弱虫なこと。
だから夢はかなわないであろうこと。
それをはっきりと言い切ります。
自信をつけて勇気を振り絞れたラチ、そこにはもう頼っていたライオンの姿がなかったと気づいた時の「ばんざい」というシンプルな表現は秀逸です。
何だかもっと詳しく、もっと仲良くなりたかったなぁと思わせるライオンとの別れですが、最後に堂々と「だからきっとラチの夢はかなうでしょう」と、勇気が出たからもう大丈夫!と無責任にも言い切ってしまう、それくらいの力強さが文章に込められているこの絵本が私は大好きです。