明け方家を出発し街に向かい、月明りに照らされる家に戻るまでの情景を、天地逆さに絵本を戻り読みすることで出会う驚きと不思議と感嘆。
行きでは山に長く走っていた白い道が、帰りには空を引き裂く激しい稲妻として白く伸びている。また街から差し込む街灯りが帰りには空を駆け巡るサーチライトに、ほかにも立ち並ぶ街ビルのいくつもの窓は、帰りには夜空に輝く星の煌めきへと見事に豹変。
全編白黒モノクロームで描かれる光と影の世界は、読み手の想像力を掻き立て、一枚一枚の綿密に計算されたすべての絵に緊張感のようなものがみなぎっている。なかなか書店でふらりと出会うことの少ないであろうこの1冊だからこそ、手に取って体験してほしい!1度開いたときの衝撃は脳裏に刻まれます。