まず、伊東美貴さんの絵に惹かれました。表紙に描かれている人たちの、どの顔にも笑顔が見られ、その人物の『心の中のあたたかさ』まで見えるようでした。
物語は、おばあちゃん家へ初めて一人でお泊まりすることになった幼稚園くらいの女の子さえこちゃんと、記憶力がちょっと怪しいけれど、とても穏やかで優しいおばあちゃんと、商店街へお買い物に行くお話です。
「カレーが食べたい」というさえこちゃんのリクエストに応えて、カレーの材料を商店街へ買いに出かけるのですが、かわなければならない物をメモした紙を忘れてきたおばあちゃん。行く先々で「あれが食べたい」「これが欲しいな」という、さえこちゃんの希望を聞いていると、なんだか予定と違う物がどんどん買い物かごに入っていくのです。
読み聞かせをしていて、子供たちは「あー、それじゃないよ。○○だよね」なんて、聞こえるはずもないおばあちゃんやさえこちゃんに声をかけていましたが、その子供の姿も微笑ましく、家族で楽しく読めました。
最後に出来たおばあちゃんのお料理の作り方が描いてあるのも嬉しかったです。