タイトルと表紙絵から、新日本出版社さんの作品かなと思い手に取り、やっぱりでした。
アメリカにおける人種差別問題を扱った作品は、絵本の世界でも多いですね。
私たち親子が読んだものを物語の舞台となった時代から、時系列で並べてみると
1850年代 「ぬすみ聞き」(光村教育図書)
1860年代 「彼の手は語りつぐ」(あすなろ書房)
「ぼくが一番望むこと」(新日本出版社)
1920年代 「ぼくの図書館カード」(新日本出版社)
1950年代 「わたしのとくべつな場所」(新日本出版社)
「ローザ」(光村教育図書)
現代 「ママ、お話読んで」 (新日本出版社)
あとは今思い出せません。
さて、この作品も人種差別と図書館のお話でした。
人生における「出会い」が、いかに貴重なものであるかとあらためて知らされます。
そして、初めに自分で踏み出す一歩、「行動力」が、人生を変えていく事になることも。
主人公に差し出してくれたフォークさんの図書館カードは、後の主人公の人生を作ってくれたのです。
活字を前にして、むさぼるように読書に耽溺する様子に涙が出てしまいます。
読後、〈あとがき〉を読み衝撃でした。
「アメリカの息子」(1940年)の著者リチャード・ライトさんの自伝の一部を抜粋して絵本の形にしたものだそうです。
「アメリカの息子」を読んだのは、もう30年も前の事です。
人種差別に真っ向から取り組んだ、この黒人文学は、アメリカ文学の中で始めて正当な位置を与えられ、現代の自由と平等のアメリカの礎となった作品です。
1960年代後半のアメリカを揺るがせたブラックパワーの運動家たちに大きな影響を与えた作品でもあります。
息子に「アメリカの息子」をいつか渡してやりたいと思います。