数年前の読書感想文コンクールの課題図書でしたね。
当時は気になってはいたものの、表紙の迫力と題名に圧倒されて読みそびれていました。
今度長谷川義史さんの作品研究会をするので、
いろいろ調べているうちに再会、勇気を出して読んでみました。
秋の夜、医者のずいとん先生宅に、子どもの病気の往診を頼む女がやってくるのです。
この女が実はキツネだったという次第。
ずるさも持つずいとん先生は、このキツネから化ける神通力を授ける
化けの玉を騙し取るのですが・・・。
両者の化かしあいが巧みで、その駆け引きも見事です。
少し長い話で、昔話風の用語もあり、読み応えのある作品ですね。
長谷川さんの絵はやや暗いトーンで、臨場感たっぷり。
もう少し怖い話かなあ、と覚悟していましたが、
とんちのように明るく笑い飛ばせる展開で、安心しました。
でもその中にも、親子の愛情等もそっと描かれていて、
嬉しくなりました。