幼いころとても好きでした。
私にとって、ずっとずっと埋葬のイメージはこれでした。
最近、ふと読み返して、幼い私は何に惹かれたのか、悩んでしまいました。
美しい絵本です。
同時にひやりとするような残酷さがある。
ちいさな鳥の死を眼にした子どもたちの中の、死を悼む気持ちと、非日常の興奮と、大人の真似ができるわくわく感、なによりそれらの行為をする自分たちに酔いしれる感傷を、恐ろしいほど静かに切り取っています。
これは、まったく正しい子どもたちの姿だと思う。
同時に、今の子どもたちに、この本を手渡すとしたら何歳くらいなのでしょう。
まだ本当に心が柔らかいうちがいい。死を終わりだととらえないうちがいい。けれど、死はリアルとして存在していなければならない。
教訓めいたことは何もなく、読んで何かを得られる物語でもない。
けど、必要な絵本だと思う。
しかし、私の心に強烈に残っていた作品だけに、今の子どもたちの心にどうやって残るのかが、気になって、いまだに、誰にも読んであげられずにいます。