島根県にある「地倉沼」の、生き物や植物、季節による沼の変化や地形についてなどを、写真とイラストで紹介する学習絵本。
2011年刊行。
学生時代に先生から聞いた「水辺の生き物たちの楽園のような沼」に、いつの間にか辿り着いてしまったというエピソードが素敵だ。
著者は、自分の足で歩き、沼を何度も訪れて撮影し、いろんなことに気づいていく。本書に書かれなかったことが、きっとたくさんあっただろうと思った。
木の上に卵を産みつけるカエルや、沼地に集まるヘビ、水がなくなると卵の形で次のチャンスを待っているエビなど、面白い生き物がたくさんいる。それぞれの生き物の暮らしぶりや、気持ちが伝わってくるようで、臨場感がある。
水辺では虫もたくさんいて、蚊に刺されたり、足場が悪かったり、大変な思いもしてこられたと思うが、それよりも、目の前に展開される美しい風景、生き物の様子に魅了されて夢中になっていただろう写真家の姿、感動が伝わって来る。
美人に撮られたカエルやヘビたちを是非とも見てもらいたい。こういう場所をいつまでも守って、自然豊かな地球であってほしい。