園児に絵本を読んであげても、なかなか聞いてもらえないことがあります。「おおきなかぶ」はそういう失敗が少ない絵本と聞いていますが、それでもだめなときは本当に泣きたくなります。でもネット書店でこの絵本を見つけてからは、私の隠し球として大活躍しています。
どうも今日は子どもたちの気持ちがバラバラだなと思ったら、まず両手をかざし指の数を左から1本ずつ1、2、3…と10までゆっくり数えます。そして「いいねえみんな、始めるよ!」と大きな声で叫んで絵本の表紙を見せます。
それから、ゆっくり最初のページを開きます。そして「10本ならんでさいている」のところまで読んだら、今度は絵本のバラを1本、2本、3本…と数えて10本あることを確かめます。「いいかい、1本、2本、3本…10本だよ」と、また両手を広げて数えることもあります。子どもたちの目が私や絵本に向かってくるのが分かります。
さあ次のページです。「…1本つみとった」で、ちょっと間を置きます。そして「のこったバラは?」と問いかけるように読みます。このとき「9本!」と答える子が一人か二人でも気にしないで、自信をもって続けます。だんだん答える子が増えてきます。6本あたりになると、ほぼ全員が口々に叫びます。後はノリノリ、まるでライブの雰囲気です。初めてこの感動を味わったときは身体が震えました。