飯野和好さんの「太郎」は海の男〜!という印象が強いです。
他のうらしま作品に比べると、不思議な世界の住人というより、“生きている”生活感がにじみ出ていました。
この「うらしまたろう」は「丹後国風土記」(今でいうところの京都府の日本海側当たりの地域)の昔話をもとに再話しているそうです。
この話の大きな特徴は、乙姫がいきなりきれいな海ガメとしてたろうの乗る船の前に現れること。
竜宮城にいるのがなぜか魚たちでなくて、「すばる星」と「あめふり星」と呼ばれる子どもたちだということ。
また、乙姫が見せてくれた窓(扉)は4つで、
最後に玉手箱を開けたたろうは、年を取った姿になるのではなく、いきなり塵になって消えてしまいまうところ。です。
全体、大人〜なイメージが強い作品でした。
でも、物語としてはしっかりまとまっていて、(自分が大人であるためなのか)すごく納得のいく展開でした。
飯野さんの絵がとてもはっきりしていて遠目も効くので、小学校の高学年以上のお子さんたちになら、この作品で読み聞かせもいいなと、思いました。