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ともだちや」 汐見台3丁目さんの声

ともだちや 作:内田 麟太郎
絵:降矢 なな
出版社:偕成社 偕成社の特集ページがあります!
税込価格:\1,100
発行日:1998年01月
ISBN:9784032048902
評価スコア 4.7
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みんなの声 総数 206
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  • たまらなく愛おしい

    私が初めてこの話を知ったのは、子供を産んでNHKの教育テレビ(今のEテレ)をよく見るようになって、
    たまたまテレビがつけっぱなしになっていた時に、一人の女性がこの話を演じているのを見た時でした。

    「えー、ともだちやです。ともだちはいりませんか。」とテレビから聞こえ、その後の言葉、1時間100円! 
    あまりの斬新さに、耳も目も釘付けになりました。その後、すぐに図書館に借りに行きました。

    そして、当時、とある会社の絵本の配本サービスを受けていたのですが、そこの小冊子にこの本のことが
    書いてありました。友達をテーマにしたものの絵本は沢山あるけれど、お金を取って友達になるという
    設定なんて、子供の世界にはあってはいけないみたいなことを猛烈に批判していました。

    私にとって、そんな曰く付きの絵本なのですが、どうしてでしょう。私はこの本が好きなんです。
    “きつね”と“おおかみ”のぶきっちゃさん同士が微笑ましいのかもしれません。そして、淋しくて友達が
    欲しくてたまらないきつねがやっと考え付いた苦肉の策が、“ともだちや”なんですよね。
    本当は批判されるようなお金の為の“ともだちや”をしたかった訳じゃないんです。
    その一生懸命さが、たまらなく愛おしいのかもしれません。

    一番最初にこの話を「見た」時、息子はまだとても小さくて、よく分かっていませんでした。
    それが、つい先日、胃腸の風邪になって学校を休んでいた2年生になった息子が、偶然にも同じものを
    何年かぶりに見て、1時間100円のフレーズで大笑いをして、最後に、きつねとおおかみが本当の友達になるの
    を黙って見届け、一言、「面白い話」だとつぶやきました。そして、今回、再度、全頁ためし読みで、息子
    自身が自分で話を読むことができて、ますます気に入ったようでした。

    このきつねとおおかみのともだちになるきっかけは、続くシリーズを通すと、このはじまり以外はもう考えら
    れません。

    淋しがり屋さん、ぶっきっちょさん、そして友達が出来なくて悩んでいる子、単に面白い話が好きな子、
    全ての人にお薦めです。もしかしたら、批評が分かれる本なのかもしれませんが、私と息子は好きな話です。

    投稿日:2012/06/02

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