満開の桜の下で女の子が舞い踊るという幻想的な表紙に惹かれました。バレエが好きなのに上手になれなかった女の子が、大きな桜の木の中で「森のくつや」を開いているウサギから靴をプレゼントされ、桜の精と思われるバレエ団のウサギたちと踊るうち自然に上手になっていた、というお話なのですが、ウサギたちと踊るシーンの描写が素敵です。「うさぎたちといっしょにはしるとき、じぶんのからだがすきとおって、たしかに風になったとおもいました。…とびあがるとき、…たしかにちょうになったとおもいました。そして、くるくるまわるときは、からだじゅうがうすももいろにそまって、さくらの花びらになったようにおもわれるのでした」。はっと我に返るとウサギたちはいなくなっているのですが、女の子はもう自由に上手に踊れるのでした。
去年の2月、バレエを習い始めたばかりの娘にプレゼントしました。娘はとっても喜んでくれて「あたしの本! 宝物にする」と言って、他の絵本とは別の場所に大事にしまってあります。