2012年の7月に第1刷が発行されています。
写真絵本です。
この絵本に登場している『モノ』たちは、広島に落とされた“ピカドン”(原子爆弾)の語り部たちでした。
作者のアーサー・ビナードさんが、広島で出会った「ピカ」の語り部たちから、どんな思いを感じたか後書きを読むとよくわかります。
詩人の彼らしい端的で深い言葉が、心の奥深くに浸み込んでくる感じがします。
最後には1つ1つの写真についての解説が載っていて、本文に重ねて読むとと、本当にせつない気持ちになりました。
特に表紙に使われている鍵の“語り”は、とても大切なことを伝えられている気がします。
小学校の高学年以上のお子さんたちにぜひ、届けたい作品です。
ただ、朝の読書の時間などに読み聞かせで使うと、一日気持ちが沈んでしまうお子さんたちもいると思うので、この作品を紹介するときは、読み手の大人たちの気持ちの押しつけにならないように、気を付けたいなぁと思いました。