娘が三歳の時、保育園から帰ってきて「ミハイル・イワノビッチ」だの「ナスターシャ・ペトローブナ」だの言っているので、いったい何のことかと思ったら、この絵本に登場するクマの名前でした。なぞめいた呪文のような響きをもつこれらの名前に、なぜかすごく惹かれるらしく、すぐ覚えてしまったようです。
絵本を見てみると、大きいクマ、中くらいのクマ、小さいクマのセリフは、それぞれの体の大きさに合わせて、大きな活字、中くらいの活字、小さな活字で書かれてあって、それを見た娘はちゃーんと声の大きさを使い分けて読み分けているのです。ちょうど、文字を続けて文章として読めるようになった頃だったので、そういう仕掛けが楽しくてたまらなかった様子でした。
たいていの絵本は声に出して読むものだと思いますが、この絵本はまさに「声に出して読みたくなる」魅力に富んだ一冊だと思います。