分数と少数がテーマ。
この写真絵本では、「2つの焼き菓子を3人で平等に分けるには?」とか、「プロ野球選手の打率の表し方」「割っても割ってもあまりがでる」などなど、割と生活の中でよくありそうな具体的な場面でもって、分数や少数の考え方を教えてくれている。
絵や図、写真を豊富につかい、文章は極力すくなくして、見てわかり、実感・感覚として身に着けられるように工夫されている。
少数の計算で、永遠に数字が続いていくことや、無限に続く図形なども紹介されて、妙な世界に入り込んだ気分も味わえる。半分の半分の半分の半分の…とやっていくだけで、永遠に終わりがないっていうのは変な感じだが、これも割によくあること、らしい。日常の生活ではどこかで適当に終わりにしてしまうけど、数学の世界では、永遠に続く。なんだか、未だに不思議で、よくわからないことも多い。
しかし、「平等に分ける」というのは非常に大事で、大人の世界でも土地やお金、物品をめぐって様々な問題が持ち上がっている。小さいころから、同じ分量で分ける考え方・技術をしっかりみにつけていれば、もしかしたら、もめないかも?
…いや、そもそも「ズルしたい」「あげたくない」などの感情がはいっていく生活で、そもそも分け合う人たちの生活状況が同じではない事の方が多いから、同じ分量に完璧に分けられても、絶対にもめるようにこの世界はできているのかも!?どうも割り切れない気分だ。
さておき、本書は1994年に発行されたものなので、当時使っていたパソコンなどの写真が妙に懐かしいというおまけつき。
90年代を知っている世代は、最後の方に、小学生たちが「無限」を自分なりにパソコンのお絵かきソフトで表現している場面を見てお楽しみください。当時を知らない人たちは、昔の機械をみて、いろいろ感じてお楽しみください。