自分が幼い頃持っていたお雛様と同じくらい特別なものを、娘にも与えてあげたいと願うお母さんの気持ちには共感を覚えます。でも、それと同時に「安っぽい金ぴかのお雛様でも欲しい」というよし子の気持ちも痛いほどよく分かります。よし子が泣きながら本音を告げた時、妥協してスーパーのお雛様を買うのでもなく、無下に突っ撥ねるのでもなく、一緒にきちんとしたお雛様を見に行こうと提案出来るお母さんの姿勢に心打たれました。子供扱いはせず、対等の立場に立って話をする。自分もそのような事が出来る親になりたいものです。
新しい物や使い捨ての物が溢れている今の時代に、大切なことを思い出させてくれる一冊です。