1963年刊行の本だから、2世代前の3月のお話です。
その頃の社会を思い出せるのも、それなりの年をとったからでしょうか。
まだ、戦争を引きずり、社会が復興していく時代でした。
高価なひな飾りは、空襲で焼けてしまいました。
復員して結婚した父は、3月3日に亡くなって、母娘の二人暮らしになりました。
3月3日は、祝と悲しみの日になりした。
このお話のキーになるのは、ひな人形です。
お母さんと娘よし子の思い描くひな人形の違いは、明らかに世代の違いでした。
昭和のホームドラマのように終わるこのお話ですが、令和の子どもはどう考えるのだろうと考えつつ読みました。
このお話の道徳観を押しつけてはいけないけれど、描かれている家族観は失いたくないものだと思います。