今年の冬は近頃めずらしいくらいの暖かさだ。
暖冬と一言で片づけるには深刻なくらい暖かい。
冬の寒さや大雪も嫌なものだが、それでも冬だからと辛抱できないことはない。それがこれだけ暖かいと、生活の色々なところに支障が出てくる。
なんといってもスキー場。雪が降らないのだからすべりようがない。
洋服屋さんも冬物が売れないと困る。コートとか生地を多く使う冬物衣料は洋服屋さんにとって大切な売り上げだ。
もちろんこの暖かさで雪下ろしをしなくて楽だという人もいるだろう。
それでも、冬は冬らしい気候がいい。
雪を待ち焦がれる人にとって、毎日の天気予報を見ることは欠かせられない。
あるいは天気次第で売上高が変わる小売店などは天気予報は大事な要素だ。
天気予報が絵本になるなんて考えてもみなかったが、大阪のギャクのノリがいい長谷川義史さんにかかったら、天気予報だって楽しい絵本になってしまうのだから。
家の前で元気に体操をしているお父さん。その絵に「きょうのやまださんちは はれ」と文がはいる。
ところが、次のページでは「こうずい」。えー。どうして? と、絵を見ると、やまださんちの男の子のふとんには大きなおねしょのあと。確かに洪水なみ。
やまださんちはお父さん、お母さん、男の子、そしておじいさんとおばあさん。
こういう家族構成もだんだん少なくなってきたが、ドラマになりやすい。
昼ごはんのあとで韓流ドラマを見て泣いているお母さんは「にわかあめ」。
おじいちゃんが食べているのは「あられ」、おばあちゃんはかき氷の「みぞれ」を食べている。
押入れを開けたら、中からおもちゃが「なだれ」落ちて、ついにお母さんの「かみなり」。
そのでも、この一家のいいところは、夜にともなれば、みんなにこにこ。
「そして あしたも やっぱり はれるでしょう」。
この絵本を読むと、私たちの生活の中にさまざまな天気が影響していることに気がつく。
だから、天気予報はつい見てしまう、大事な情報源なのだ。