とてもおもしろい絵本です。
まず、小学一年生に読みました。
この絵本のすばらしいところは「せかいでいちばん強い国」が、どこの国なのかをはっきりと書いていないことです。
大人の私が読めば、そんなの文化や芸術で強国を支配した小さな国に決まってると思うのですが、絵本の中には書いていません。
この絵本を見ながら、子ども達はどの国が、せかいでいちばんつよい国だと思うのでしょう?
もしかしたら、強国がせかいでいちばんつよい国だけど、歌は小さい国のしか歌えないんだねという感想を持つのかもしれません。
自分が読むときには、「せかいでいちばん強い国ってどんな国だろうねぇ。」とだけ軽く導入をして、読後もなにも言いませんでした。子ども達が自分で考えてくれると思ったからです。
読み聞かせをした一年生が五年生くらいになったら、またこの絵本を説明なしで読みに行きたいと思います。彼らが一年生の時のことを覚えているかは分かりませんが、きっとのちのち、思い出すなり、うっすらした記憶で自分たちなりに答えを出して行ってくれると思います。
そういった、魔法のようなしかけがある絵本だなと思いました。
こどもたちが自分で考え答えを見つけられますように。