この本はなかなか意味深な絵本だなあと感心しました。
まずは「百聞は一見にしかず」。なんでも自分の目で見て確かめるうさぎさんはエライ。やっぱりニンジンをアレンジしたようなものと実際の魚とは程遠かったわけですから、視野が狭いということは、それだけで人生損ですよね。
でも、うさぎさんは見ても分からなかったんですけどね。
そして結局はまた元に戻って食べ飽きたはずのクローバーを食べる…。
「井の中の蛙」ってやつかな。結局自分の価値観でしか物事を捉えられない。「ブタに真珠」かなあ。
でも冒険は徒労に終ったかもしれないけど、うさぎさんは自分にとってクローバーやニンジンが一番ってことが分かったのだから無駄ではなかったですよね。
またちょっと違うかもしれませんが、「水槽の中の魚」という哲学の話を思い出しました。
水槽の中の魚は自分の住んでいる水槽がどんなものなのか外から確認することはできない。
つまり、人は誰しも自分の住んでいる世界を内側からしか見ることができない。宇宙の外から見ることなんてできませんからね。物事を100%客観視することはできないのです。
「無知の知」ですね。
だとしても、子供には将来うさぎさんのように自分の世界の殻を破って果敢に外の世界を見てきて欲しいです。例えば海外へ赴き色々な文化に触れて欲しい。そしてせめて海の向こうから日本を見て、良さを再発見してくれたらいいですね。
なんか色々拡大解釈してしまいましたが、全然教訓めいてるわけじゃなく、子供には単純にバカバカしくて笑える絵本だと思います。