日本、19:30発。夕暮れ時に表れた大きな鳥に導かれ、少年二人と犬一匹は、世界旅行の旅にでる。ひたすら北緯36度線上を、西に西に向かって、各地を覗き見る。
1999年刊行。世界各国の様子を見ながら、どんどん旅していく気分を味わえる。日本は19:30分の時、北緯36度線上にある各地の時刻は、西に行くにつれて早くなる。最終到達地点のジブラルタル海峡は12:00。時差がどんなものかが、絵でわかる。
人々の暮らしや街の様子、服装などが違うので、いろんな地域の違いが感じられる。国境や、地域をわける「線」のようなものはない。地図上の線よりも、砂漠などで大きく分け隔てられている。
作者が以前に描いた作品に出てくる町も登場する。あの作品のあの子がいる。そのほか、あちこちにいろんな人があり、いろんな暮らしがあり、いろんな人生がある。
いろんな事が一枚の絵から読み取れて、読者は思い思いに想像することができる。
大人が読んでも楽しい絵本。ちょっと世界旅行に行った気分だ。