一冊の中に五つのお話があり、ブナの木のアパートに住むみんなの自然の中の楽しいくらしが、生き生きと描かれていました。ひとつひとつのお話どれもが、心温まる物語でした。
子供は、一話目の『かたつむりのおつかい』で、かたつむりさんの話し方に笑い転げていました。どのお話も、物語の中の登場人物のしぐさなどがとても豊かに描かれていて、物語を読むだけでもとても楽しく、しあわせになれました。さらに、どのページも表紙の絵と同じくカラーで描かれていて、色使いもとてもきれいでかわいい絵ばかりでした。
ちょっぴりおせっかいのホオジロのおおやさんは、みんなを楽しませて「わらうことは、しあわせのひけつ。わらうとしあわせがやってくる。」と話していましたが、この本は、そんなしあわせをくれる本でした。物語の最後、『はるはどこにいる?』では「ほんとうにはるがはじまるね」「あたらしいはるのはじまりです。」というところに感動しました。
この絵本のようなしあわせ感が、今とても必要と思います。子供も大人も元気になると思います。