絵や、言葉が強烈で、子どもはまだまだきれいなままでいてほしーい、変な言葉なんて憶えないでほしーいと考えていた頃は敬遠していました。
でも、子どもたちが読んでほしいとせがむんです。
考えてみたら、子どもがきれいな聖人君子のまま成長できるわけもなく、正もあれば負もある、表があれば、裏もある、いろいろなことを知っていくのは当然ですよね。
そう思うと、とたんにこの本が面白くなり、おもいっきりきたない声で読んでやったりするようになりました。子どもたちはもちろん喜びましたよ。
個人的には、魔女の呪文の場面が大好きで、なりきってしまいます。子どもたちはシュレックと王女の恋歌のやりとりがいいみたいです。すごい歌ですが。
ひとなみはずれた風貌と性格と力をもっているシュレックが自分の全部を受け止めてくれる運命の出会いをするこのお話、やっぱりハッピーエンドです。こんなに美しくないハッピーエンドの描き方もあるんだなぁと感心してしまいました。どうぞ一度、この世界をご堪能下さい。