グリム童話をホフマンが絵本にしたものでは「七わのからす」や「ねむりひめ」「おおかみと七ひきのこやぎ」などが有名ですが、
『くまの皮をきた男』はでちょうど1年くらい前ににほんで出版されたばかりなので、知らない人も多いかもしれません。
私もつい最近まで知りませんでした。
邦訳は同じこぐま社の「子どもに語るグリムの昔話」を訳された佐々梨代子さんと野村しげるさんなので、言葉としての違和感は全くありません。
この作品はホフマンの晩年に描かれたものらしいです。
私は「グリムの昔話」の本でこの“くまっ皮”の話を読んだとき、いったいどんな風にくまの皮を着こなしているんだろうと、貧相な想像力で考えたのですが、なるほど、この絵本で「ホフマン」が描いたこの感じなら、一応人前にも出られるし、くまっ皮を着ている感もよくわかりました。
また、原作の時に「みどりいろの上着を着た」悪魔が、どんな奴かすごく気になっていたのですが、ラストシーンで、くまっ皮の兵隊さんを散髪しているシーンは結構可愛くて、「どこから見ても普通の理髪店の主人だよ」とか一人ツッコミを入れてしまいました。
グリムの話は難しいものも多いですが、この『クマっ皮』は物語の展開がなかなか面白いです。
小学校の高学年くらいから、ぜひ読んでみてください。
読み聞かせに使っても悪くはありませんが、少々長い物語なので、読み手は十分練習しないと、持ち手が疲れると思います。