この絵本を知っているナビのメンバーが12人と、意外に多くてうれしいような悲しいような…。
素晴らしい絵本に出会った時、その作品を一番に見つけられたら、それはそれでやったー!と思うのですが、
多くの人が知っていてくれて「嬉しいな〜」と思う気持ちものもしっかりあるんですよ。
読んだ人にはわかるのですが、村上春樹さんの後書きがまたいいんです。もし、この絵本を手にしたら、絶対に後書きはしっかり読んでくださいね。
さて、作品そのものですが、もう本当によかったです。
すっごくよかったので、久しぶりに上のこと下の子がそろっているときに、「聞いて聞いて」と読んでしまいました。
どこがいいって、やっぱり猫。そして、猫との暮らしをものすごく自然に楽しんで知るおじいさん。ひとりと一匹の関係が、描かれている1コマ1コマからにじみ出てくるんですよ。
ちなみにこの猫に名前はありません。(少なくとも邦訳には書かれていません)
おじいさんは「猫」と呼びます。村上さんの話によると、原作でおじいさんのセリフにはテキサス訛りがるらしいのです。それが日本語として表現しづらいので、あえて標準語で描いたそうです。
私と上の子が一番気に入ったシーンは
後半、猫が自分一人の冒険談を「うぉーん」と鳴きながら説明しているシーン。
(けっして「猫」は人語をしゃべりません。そこがまたいい!)
もう、可愛くてかわいくて、笑っちゃいました。
でも同じこのシーンで、下の子は涙を流すんです。
「なんだか、可愛そう」って。
(私と上の子は思わず、ブーイングしちゃいました)
我が家で意見が割れたこのシーン。みなさんのお宅ではどんな意見が出ましたでしょうか?ぜひ、何かの機会にお聞きしてみたいです。
何気なく目について図書館で借りてきた本でしたが、
めちゃくちゃ好きな1冊になってしまいました。
折を見て購入したいと思っています!
この絵本はどちらかというと、高学年以上から大人が読んで喜ぶ作品だと思いますが、
できれば、高学年や中高生のお子さんであってもひとり読みよりは、誰か大人が声に出して読んであげてほしいです。
「大きいんだから読めるでしょ」ではなく、声に出して読んであげた方が、ずっとずっと心地よく、物語が心に響いてくるお話だと思います。
ぜひぜひ!音読をお薦めします。