筒井学さんの絵本どれも本当に魅力的な作品で、書店で取り寄せて購入させて頂きました。
セミは7年土の中にいて、地上に出てきて1週間で死んでしまう、そう昔から思っていましたが、違いました。
セミが卵で1年過ごすこと、生まれてから気の根っこの汁を吸いながら脱皮を繰り返すこと、成虫は1週間以上生き延びることもある…私の知っていたセミの知識とは違うことばかりで、読んでいてとても勉強になりました。
そして息子や娘よりも成虫は先輩だ!ということに気が付いた時に、同じことをただひたすらに繰り返しながらも少しずつ少しずつ大きくなり、成虫になった時に美しい羽を広げ大きな声でなくセミを見つけて、とても感慨深い気持ちになりました。
子どもたちは透明に近い小さな幼虫は木から落ちてくるんだって可愛いね、ととても愛おしそうに話をしていました。
そんな可愛い幼虫もアリの餌食に…でもそれが自然です。
生まれたばかりの幼虫を食べるなんて残酷だなと思いますが…でもアリは悪者ではなくて、アリも子孫を残すため、命を繋いでいくために命を頂いている。
昆虫たちの生活はとてもシンプルですが、昆虫たちの生活や命から学ぶことはとても多いなと筒井学さんの絵本を読むたびに感じます。
それでも生き延びた幼虫が5年の時を経て、羽化するために掘り進めた穴の中から地上を見つめている可愛い写真が子どもたちのお気に入りです。
私は子どもたちに自分の命と同じように、他者の命も大切にできる子に育って欲しいと思っていて、セミや昆虫、自分よりも弱いと感じる生き物たちが懸命に生きている姿を通して、思いやりの気持ちが子どもたちの中で育って欲しいな、それを感じとれるような子どもに育って欲しいな、とセミたちの夏を読んで思いました。