この絵本の前では、私は小さな子供のようでした。
なぜかというと、私には理解が出来なかったからです。
それは、私にとって、「死」が、いまだあまりにも重く、
悲しみを伴うものであるせい。
この絵本では、少女がうさぎの死を美しいと感じ、
そして、うらやましいと感じています。
今の私では、その境地に至ることができません。
うさぎが土に帰り、その体が土となり、草花を育て、そして幾多の動物の糧となる。
そういった命の巡りが、たいそう意味があることだと分かってはいます。
でも、どうしても、どうしてもこの本を受け入れることが出来ません。
おそらく、この本の訴えたい事は、大変高次元であり、私は底辺でもがいている最中なのだと思います。
けれど、私はまだ、感情にまみれていて、過去に自分の周りで起きた死の事を、
客観的には受け入れられず、感情的にしか考えられないのです。
いつか、死を、そして、この絵本のことを受け入れられる日が来るのかもしれません。
自分の死を迎えても、ジタバタもがいているかもしれませんが。