【内容】
お寺に飾ってある地獄絵に衝撃を受けた小野キクマロ。何故地獄があるのか?などの疑問を抱くと、丁度いいタイミングで地獄から招待状が届いた。見学に来てもいいという。案内役の小鬼と共に八大地獄を順番にめぐる。今回は地獄の入り口と最初の「等活地獄」まで。
【感想】
丁度、お盆の時期に眺めていたので、臨場感あふれる読書となった。
地獄が実際にあるかどうかは、さておき、悪いことをした人が死後に大変な目にあうという話は必用だと私は思う。自分だけよければいいと思っていたら、現実が地獄になってしまう。
迫力のある汚い感じの絵が、地獄の恐ろしさを強調している。地獄に落ちた人には、落ちるだけの理由があるのだ、という感じがでている。人の心には浅ましさ、狡さ、残酷さ、身勝手さ等々、いろいろな悪い部分もあるが、そういう悪想念が画面いっぱいににじみ出ている感じがして、雰囲気が出ている。
おどろおどろしい作品なので、もし、自分が子どもだったら、怖いもの見たさで絶対見ると思う。
自分が子どもの頃はホラー作品がブームだったらしく、やたらに恐ろしい描写の漫画や映画が流行っていた。やたらに人間がぐちゃぐちゃになるシュールな作品が多くて、夜中に思い出してうなされていたことを思い出してしまった。
いつの時代でも怖い作品というのは、人の心を魅了するのだと思う。
やっぱりダメなことはダメだ、としっかり心に刻んでおく必要は、いつの時代も必要。
地獄絵は、教育的な意味合いが強いと思う。地獄をテーマにしたこの絵本も、そうだと思う。ただ、かなり刺激が強いので、取り扱い注意!?