今年のお正月、お年玉代わりにプレゼントした本です。お正月といっても、特別な楽しみがあるわけでもなく、ほんの少しのおせちでお祝いをしただけで、あとはいつもどおりの1日だったので、せめて気持ちだけでもお正月気分をと思い、「年賀状」ならぬ「おてがみ」の本を選びました!
娘は、最初に、「ぐりとぐらより」と書かれた封筒を見つけると、身動ぎもせず、にこっと笑い、私が「ぐりとぐらから、Jにお手紙が来たんだよ!」と言って初めて、「え〜!どうして来たの〜?来てもいいの〜?」と、最大限の驚き方。そして、ゆっくり封筒を開け、丁寧にそうっと手紙を取り出すと、少し間をおいてから、静かに手紙を開きました。書き出しは、あの「ぐりとぐら」の替え歌。
♪ぼくらのなまえは ぐりとぐら。このよで とてもすきなのは、おてがみ かくこと もらうこと♪
2人で声を合わせて歌いました。
次の封筒は・・・「わあ、あやちゃんだあ!」 そう、あやちゃんのおねえちゃん、あさえちゃんからです。本当に子どもらしいかわいいお手紙。書き方も、内容(興味の対象や好きなもの)も、娘の手紙ととてもよく似ていて、なんだかじ〜ん。娘は、あさえちゃんが、たんぽぽの綿毛を「たんぽぽのおばあちゃん」と呼ぶのが、可笑しかったようです。
だるまちゃんからのお手紙は、絵文字がずらーっと並んでいます。楽しい絵手紙を娘といっしょに笑いながら、声に出して読みました。
「たろう」からのお手紙は、「たろうのおでかけ」の続きのようで(今度は、まみちゃんでなく、たろうのお誕生日です)、たろうらしい素朴な文面に、心が和みます。
それぞれのお手紙が、本当にそれぞれのキャラクターによくあっていて、自然と笑みがこぼれるものばかり。「おおかみ」の「け」には、のけぞって笑ってしまいました!娘は、なぜかこのお手紙が大のお気に入り。 「エンソくん」の封筒は、ちょっと独特な雰囲気で、「おばけ〜!」と怖がっていましたが、中身は、拍子抜けするほどおもしろく、楽しいお手紙でした。
内容だけでなく、誰がどんな字を書くのかも、娘の関心を引いたようで、あさえちゃんや、まゆは、「あんまり上手じゃないね〜」とか、逆に、「たろうは、なんでこんなに小さく書けるの?」と感心したり・・・。絵では、まゆの描いた桜の木に、うっとりしながら、「いいな、まゆちゃんは。Jも、こんなふうに、桜の木が描けたらいいのに」と、うらやましがっていました。
そして、最後の大きな「こどものともひろば」に親子で大感激!!息もつかずに、「あっ、これ!」「ここ!」と、それぞれの絵本や主人公の名前も言えないくらいの早さで(!)、次から次へと懐かしい顔を見つけては、いっしょに盛り上がりました。本当に、懐かしい友達に再会したような嬉しさです。1人1人見つけるたびに、タイムとリップしていくような・・・。こんなにたくさんの素敵ななかまと出会ってきたんだなあと、しあわせな気持ちに包まれました。
娘は、「どっちから行こうかな?・・・“ひみつのこみち”で遊んでから、“おべんとうひろば”にいこうかな?・・・まゆちゃんと、おすもうしようかな?」と、本当に飽きることなく、いつまでも「こどものともひろば」で、お友達と遊んでいます。
布団に入ってからも、「この本、とっても気に入った!!おうちにある全部の本の中で、1番だ〜いすき! ママ、プレゼントしてくれて、ありがとう!」と、言ってくれました。
以来、毎日、「今度は誰かなあ?」と、1通ごとに言いながら、両手でお手紙を持ち、ぴんと背筋を伸ばしたまま、いつもより少し高い、よそ行きの声で、一字一句丁寧に読み、そしてまた大事そうにきちんと封筒に戻しています。
「こどものとも」50周年の歴史とともに、私と娘の一歩一歩の歩みでもある、この絵本。生涯大切にしたい思い出がいっぱい詰まった1冊です。