スズキコージさんのこどものともデビュー作と知り、手にとりました。
最初っからすごい絵を描いていらしたんだなぁと感嘆。
お話も面白かったです。
逃げたうさぎを追いかける羊飼いが、
おおかみにうさぎを「つかまえてくれよ」と頼み、断られ
こんぼうに「おおかみをなぐっておくれよ」と頼み、断られ
ひに・・・。
「こんぼう」が道をやってくるなんてシュールだし、
草を焼き、煤を巻き上げながらうねり歩く「ひ」は大迫力。
この繰り返しがどこまで積み重なるのか、ワクワクします。
私には、羊飼いが断られるとき毎回言われる「じぶんで〜しな」という言葉もツボでした。
そして・・・最後のスピード感あふれる展開は、もう爽快!
このたたみかけるような感じ、息子も読み手の私も、何度読んでも飽きません。
人を頼ってばかりの羊飼いが、結局思い通りになっちゃって
ためになるお話ではないのでしょうが、
絵とお話がとにかく楽しい、エンターテイメントなラトビア民話でした。
園児さんや小学生の読み聞かせ、お話会におすすめです。