雪の描写がとても美しい絵本です。
ふわふわころり、とゆきぐも、がいる世界。
ゆきぐもがつくる雪はとてもきれい。
ゆきぐもがおどると、ゆきがふる。
ゆきをふらせるゆきぐもは、この世のものではないかのようです。
主人公のふうちゃんは、
いまはもういない、おとうさんにもらった車のおもちゃをゆきぐもにあげる代わりに、
病気の妹のために雪を降らせてもらうように頼みます。
いつのまにか車のおもちゃは消えていて、だれかのあしあとがある。
天からの贈り物であるかのような雪の神秘さ。
静かに語られる物語の中に、それを垣間見ることができます。
悲しさや切なさをやさしく包み込む雪の世界が、美しい言葉と絵で惜しみなく表現されています。