10年くらい前に、勤務先の保育園の勉強会で紹介された絵本です。その頃「自尊感情が弱い子」というのが問題になっていて「あなたはあなたのままでいい」ということをどう伝えたらいいのか、わたしもとても悩んでいました。
でも、この絵本は、そんな難しい言葉なんて一掃する衝撃でした。「どんなあなたでもすき」というおかあさんの気持ちをそのまんま伝えればいいし、むしろ「どんなあなたでもたからもの」と言い切れないおとなというか、社会の方にすごく問題があるんだなと思いました。
でも「だいすき」だけでいいんだな!いい子に育てなくちゃなんて考えなくてもいいんだな!て、すごく肩の力が抜けたのも事実。自分の子だもん!全部ひきうけますよって感じですかね?
それにしても、絵が独特なんですよね。薄暗くて洞窟みたいな抽象的な背景がちょっと不思議です。だからか、本棚にあっても、子ども達はあんまり好んで読みたいとは言わなかった記憶があります。
大人向けかな?どんなやんちゃで時には憎らしいこともしてくれる子どもも、心の中で「こんな僕でもいいのかな」ってことを、考えるもんなんだなって心に留めておければいいと思います。