クマさんとヤマネくんシリーズの新作。今回は雨の森が舞台です。季節的にも梅雨を前にした今の季節にピッタリの本です。
雷がとても怖いクマくんと、そんな中、あじさいを見に行こうと誘うヤマネくん。怖がるクマくんの様子を見て、「ぼくがとってきてあげるよ」と一人で出かけていくヤマネくん。その後雨はどんどん激しくなり、とうとう洪水になってしまいます。ヤマネくんのことが心配になったクマくんは、あじさいのある川の上流の方へと走り出します‥。
無事、出会えたクマくんとヤマネくん。お互いのお互いを思いやる気持ちに感謝します。そして最後二人が見る、素晴らしい空からの贈り物。心が洗われるようです。
このシリーズ、いつも二人以外の森の仲間たちが、名脇役として、いい味を出してくれるのですが、今回は村の動物たちはほとんど出てきません。代わりに厳しくも素晴らしい恩恵を与えてくれる「自然」が、物語をいろどってくれます。
いつもながら絵が素晴らしく、お話もほのぼの暖かい、素敵な本でした。