「T・家出」では、主人公の女の子が、なにに対して不満を持っているかわからないし、行動が大胆な割に心が弱くて、こころざしすぐで、いきなり砕けちゃうしぃ、なんかすっきりしないストーリーだな。って、思ったんですよ。
バンサンのデッサン力の素晴らしさだけは、いうことなかったので、なんとか読めたという感じでした。
今回のUでは、Tではいえなかった少女の、心の中の気持ちを手紙にして吐き出すという形で進んでいきます。
でも、ここでも、人んちの庭で、いちいち怯えたり、悩んだり神経質に考え込むんですよ。
この「U手紙」になって、最後のほんとうに最後に主人公の気持ちがちょっとだけ書かれていました。
なるほど…。
こんなことで家出しようとしちゃうその単純さに拍手!です。
Uを読んで、私は個人的にますますこの主人公の少女が嫌いになりました。自分の子どもには、こんな風に育ってほしくないです。
Tの方の感想でも書きましたが、もしこの絵本は読み語りに使うなら、TとUを一緒に持っていって読んであげるか、1週間づつずらして、すぐ続きが聞けるプランを立てて読んであげたいと思います。
そうじゃないと、あんな終わり方(T)のままでは子ども達の気持ちが消化不良を起こしそうです。