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かむもかまぬも神だのみ めちゃヘンな早口ことば

かむもかまぬも神だのみ めちゃヘンな早口ことば(小学館集英社プロダクション)

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自信を持っておすすめしたい 明日という未知の世界の確認。  投稿日:2002/08/09
あすはきっと
あすはきっと 作: ドリス・シュワーリン
絵: ガンダーシーマー

出版社: 童話館出版
私がこの絵本を手にしたのは、ほんの2年前のこと。
もっと早くこの絵本のことを知っていたら・・・せめて寝付きの悪かった長男に悩まされていた当時手にしていたら・・・
少なくとも育児書を抱え、自分を責める事はなかったと思う。

物語はいきなり「そとは くらいのかな?」と眠りの世界へと入っていく不安から始まる。
あるいは、もう夜、寝る時間だという確認なのかもしれないが、いずれにしても一日を終わらせて「明日」という日を迎えなければならないことを示唆している。
長男がまだ2歳くらいの頃、当時私は次男の出産を控え心身ともに疲れていた。
大きなおなかを抱え、家事をこなし、ちょこまかと動き回る長男に振り回されていた。
最初の子どもという事もあって少々ナーバスに子育てしてたせいもある。
夜の8時、朝が早い長男のこと、とっくに眠たくなっていい頃だ。うとうとして今にも眠りそうになっていたのに次の瞬間ではまた遊びだしている。そんなことを何度も繰り返しながら結局泣きながら眠るということを日常にしていた。
当然思うに任せず私はイライラしていく。全ては悪循環のサイクルに巻き込まれてしまっていた。
その度、眠たいのに眠れないという長男の心理状態に疑問を抱くようになった。誰も長男の眠りを邪魔する者は居ないというのに。
その疑問に答えてくれたのがこの絵本だ!
作者は子どもたちに優しくたたみ掛けるように「今日という一日」を振り返らせてくれる。
かくれんぼをしたり、積み木の塔を積み上げたり、楽しく歌を歌ったりとそれは楽しい一日だったかもしれないし、ひょっとするとおもちゃを無くしたり、頭にたんこぶ作ったり、指に怪我をして泣いちゃったりと散々な一日だったのかも。
大人の自分でさえそんな最悪な気分を翌日に引きずったりすることもあるのに、幼い子どもならなおさらの事。
また作者は「明日という素晴らしい未来」についても気付かせてくれる。
明日は「おはよう!」っていう声で目覚め、おひさまが照らし、朝ご飯を食べることから始まる。
そして昨日できなかった事も出来るようになるかもしれないし、無くしたおもちゃも見つかるかもしれない。
たんこぶだって眠っている間に小さくなるし、友達だってたくさん出来るにちがいない。
この絵本を読んでいくうちに、「明日」という不安を帯びた未来が希望と幸福感でいっぱいになっていく。
明日という日の訪れが待ち遠しく、夜の闇の中でさえ安らかなものに変わっていった。

そうなのだ!!長男は明日という未知の世界に不安を持っていて眠ることが恐かったのだ。

作者は絵本の扉の部分で「思い出すのを手助けしてくれるベンジャミンのために」とはしがきしている。
ベンジャミンとは作者のお孫さんの名前。
大人は以前子どもだった頃、不思議に思っていたことや恐れていたことを忘れてしまう。
忘れるということも大切なのだが、一方で忘れてしまったことを思い出すのに、どれほどの遠回りをしなければならないか・・・。
子どもの目線に立つということの難しさを教えてくれた。
また、絵本を子どもに読み聞かせている私にも未来への希望を抱かせてくれた一冊だ。



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自信を持っておすすめしたい あなたにとって大切なものは?  投稿日:2002/08/09
たいせつなこと
たいせつなこと 作: マーガレット・ワイズ・ブラウン
絵: レナード・ワイズガード
訳: うちだ ややこ

出版社: フレーベル館
今年の新年早々にこの絵本を本屋で見つけ、絵も素晴らしいのだが、私の心を惹き付け離さなかったのは、一頁にほんの数行載せられた、ひらがなだけの言葉だ。
シンプルに洗練されていて暖かく、さり気なくごく自然に心の中に入ってくる。
最初は何の変哲もない前奏があって、最後のページで愛に包み込まれるような幸せが心の中を満たして広がっていくのだ。

この絵本は物語り絵本という形態ではなく、読者に直接作者のメッセージを伝えてくる。
例えば「スプーン」。スプーンの持つ特徴をいくつか挙げていく。
人によって好みも様々で、デザインが凝っているものが好きな人もいるだろうし、大きさにこだわって自分の口にちょうどいい大きさのものを愛用している人もいるだろう。
だけどスプーンにとって最も大切なことは「それを使うと上手に食べられるということ」。
こんな具合に、無機質な日用品や、雪、雨、風といった自然現象の一つずつを材料に、そのものにとって一番「大切なこと」を丁寧に確認していく作業を繰り返していく。
そして最後の最後に、物でも小動物でもない「あなた」が題材になる。
あなたとは当然読者を指している。
それは小さな子どもであったり、子どもにこの絵本を読み聞かせてる大人でもあるのだ。

あなたにとって たいせつなことは?

長男が通う小学校のクラスの(2年生)最後の読み聞かせに、私は迷わずこの絵本を選んだ。
2年間付き合ってきた子どもたちに、私なりのメッセージを伝えたかったから。
朝のざわざわした教室に始業を知らせるチャイムが鳴った。
そして静かに絵本の時間が始まる。
私が最後の絵本を皆に見せて「たいせつなこと」とタイトルを読み上げると、続いて子どもたちも嬉しそうに「たいせつなこと」と繰り返す。
じっと絵本を見つめて聞いている子。
隣の子にちょっかいを出しながら、それでもちゃんと聞いてる男の子。
私が読む言葉の一つずつに頷いている女の子。
子どもたち一人一人を見渡す優しい先生。
あなたにとって たいせつなのは
あなたが あなたであること
最後にこの言葉を読み上げた私自身にも、胸に染みるメッセージになった。
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自信を持っておすすめしたい 働かざるもの食うべからず!  投稿日:2002/08/09
おとなしいめんどり
おとなしいめんどり 作・絵: ポール・ガルドン
訳: 谷川 俊太郎

出版社: 童話館出版
私が絵本の読み聞かせのボランティアを始めたのは、現在小学校2年生の長男が幼稚園に通うようになってからのこと。
それ以来、何度この絵本を幼稚園や小学校に持っていって読んだことか。
あらすじはこうだ。
怠け者の犬、猫、ねずみと大人しいあかいめんどりが、居心地の良い小さな家で同居をしていた。
ある日めんどりが庭で雑草を抜いていて小麦の種を見つける。
その小麦を育て、お菓子が出来上がるまでの手間ひまを手伝ってくれるよう
同居中の犬や猫やねずみに何度もお願いするのだが、その度「いやだね」といって断られてしまう。
しかたなく、めんどりはたった一人でお菓子が出来上がるまでの全ての工程をやり遂げた。
そして最後に「だれか このおかしを たべる?」と問い掛けるめんどり。
当然「食べる!」と心躍る犬と猫とねずみ。
ところが次の場面では・・・・・
最後は子どもたちの意表を付くエンディングでみんなポカンと口を開けたまま!
なんとめんどりは、たった一人で働いた当然の報酬だと堂々と宣言すると
「ひとかけらも あまさず たべてしまった。」のだ!!
このなんとも痛快でユーモアのセンス溢れる絵本が私は大好きだ。
日本人気質からすると、最後の場面では「まぁ、かわいそうだから分けてあげましょう」といったところだろうが
そんな、その場だましの甘やかしの優しさは みじんも存在しない。
この絵本を読む度に「働かざる者 食うべからず」を真正面から受け止めることが出来るだろう。
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