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どんなにきみがすきだかあててごらん

どんなにきみがすきだかあててごらん(評論社)

日本語版刊行30周年♪想いのつよさをくらべっこ♥

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12歳〜

6639件見つかりました

★5  なんだこりゃ 投稿日:2010/06/28
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
3びきのぶたたち
3びきのぶたたち 作・絵: デイヴィッド・ウィーズナー
訳: 江國 香織

出版社: BL出版
『三匹のこぶた』は誰もが知っているお話だから、いろいろとバリエーションがあり、パロディがありで、出会った本ごとに楽しみがあるのですが、この絵本はスゴイ。
デイヴィッド・ウィーズナーはどの絵本にもしかけを作って、見ている側をマジカル・ワールドに誘い込むのですが、自分も結構楽しんでいるのです。
この絵本は、作者が三匹のブタになりきってお話を楽しんでいるのが良くわかります。
話の中からブタが飛び出してしまう。お話のページに残されたオオカミは、折りたたまれたりくしゃくしゃにされたり、紙飛行機にされたり…。
思いきり羽目をはずしたブタたちは、よそのお話にまで顔を出してしまいます。
他の絵本から連れ込んだドラゴンや猫とブタたちはレンガの家に戻ります。
オオカミは好き勝手され、基の絵本の言葉も文字がばらばらになって行きます。
こうなるともう楽しむしかない。
まさに、この絵本は楽しむ絵本です。
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★5  ママの気持ちに心打たれます 投稿日:2010/06/26
ジュンイチさん 40代・パパ・東京都  男の子12歳、男の子6歳
ママ、お話読んで
ママ、お話読んで 文: バシャンティ・ラハーマン
絵: ローリ・M・エスリック
訳: 山本敏子

出版社: 新日本出版社
原題は、「Read for meMama」

読書に関する絵本だと思って軽い気持ちで読んでみたのですが、さにあらず。
非常に深い作品です。

読書に興味を覚えつつある主人公のジョーゼフは、易しい本なら一人で読めるのですが、難しい本はまだ読むことができません。
ママに読んでと頼んでも、忙しいとはぐらかされてしまいます。
日本なら体の良い理由と言えるのですが、実はママは字が読めないからなのです。

誤魔化せなくなって、とうとうママは教会で
「私は字が読めるようになりたいのです。
息子には字の読める母親が必要です。
ですが、私は読み書きの練習をしたことがありません。
学校でもちゃんと習いませんでした。
私は読み書きがまったくできないのです。」
と真実を告白するのです。

国別の識字率をいうことがニュースになる位ですから、これが現実なのでしょう。
とても日本では想像できません。
本当のことを言ったママの勇気と、それからのジョーゼフのママへの接し方に心を強く打たれました。

素晴らしい作品に違いはないのですが、こうした現実を理解できる年齢でないとオススメできるものではありません。
なおさら、識字率100%近い日本ですから、子どもに理解して貰うことは難儀なことだと思います。

大人の絵本と言った方が良いのかも知れません。
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★5  おじいちゃんと孫娘はよき相棒 投稿日:2010/06/25
ちひろ。さん 20代・ママ・愛知県  女の子0歳
おじいちゃんの家
おじいちゃんの家 作: ヘレン・V・グリフィス
出版社: 佑学社
夏休み、ジャネッタは汽車に乗って母さんと旅に出る。
向かう先は初めて訪れる母さんの実家―おじいちゃんの家。
おじいちゃんの家の何もかもが気に入らないジャネッタだが…。

おじいちゃんと孫とが自然と心を通わせあう様子が描かれていく。

おじいちゃんが語る「星が落ちてきた話」がいい味を出している。
星を空まで送って帰ってきたロバについて、おじいちゃんは
「(ロバは)しばらく考え深げにしておったよ」と言う。
こんなフレーズを口にするおじいちゃんが小粋でかっこいい。

お互いにとって、相手は自分を受け入れ、違う価値観を示してくれる良い相棒。
年の離れた2人の間に流れる「共犯」のような感覚がとても素敵である。

この2人を描いている姉妹作『おじいさんのハーモニカ』もある。


この本を出版した佑学社は倒産してしまい、現在絶版となっている。
改題・改訳をした『おじいちゃんのところ』が童話館から出版されたが、こちらの佑学社版の方が訳がウィットに富んでいて、おじいちゃんの魅力が存分に発揮されている。
再販を期待したい。
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★5  実写版的な絵本 投稿日:2010/06/25
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
そのままのきみがすき ヤングアダルト版
そのままのきみがすき ヤングアダルト版 作: マックス・ルケード
絵: セルジオ・マルティネス
訳: 松波史子

出版社: いのちのことば社
マックス・ルケードとセルジオ・マルティネスのコンビといえば、『たいせつなきみ』シリーズで人間社会を舞台にしたみごとな社会表現で、私のお気に入りの作家たちである。
なんでヤングアダルト版なのかはよくわからないのですが、この絵本はパンチネロが実写版で登場した感じ。
エリは王様でしょうか。

仲良く暮らす親のない五人兄妹。
その兄弟を養子にしたいという王様。
王様が来ると聞いて、お兄さんお姉さんは自分の得意な彫刻や絵画や学問に夢中。
得意なものがない末っ子の女の子は、相手にしてもらえませんがとても優しい心の持ち主です。

末っ子の女の子は、相手が王様と知らずにふるまった行為が、王様に気に入られます。
「そのままのきみがすき」。
何て素晴らしい言葉でしょう。
王様の包容力にも脱帽。
残りの兄弟も見捨てられてはいないようです。
ルケードは人を憎むことができない作家です。

ほのぼのとして、愛らしい絵本でした。
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★5  食育にも最適 投稿日:2010/06/27
ちひろ。さん 20代・ママ・愛知県  女の子0歳
きみの家にも牛がいる
きみの家にも牛がいる 作: 小森 香折
絵: 中川 洋典

出版社: 解放出版社
こんなに身の回りに牛からできた製品があったのか、と驚いた。

動物の肉や加工品は私たちの暮らしに欠くことのできないもの。
でも、魚の加工や卸の様子は見ることがあっても、肉製品についてはほとんどブラックボックスになっている。
「お肉はスーパーでパックに入って売っている」ではなく、それが手元にどうやって届いているのか、その過程を子どもたちにも知っていて欲しい。
その道筋を自然に描いている点で、この絵本はとてもいいなあ、と思う。

絵はきちんと描かれておりわかりやすいが、生々しくない。
誰もがしっくりと受け止めることができる良作。

食育とからめての紹介にも良いし、読み聞かせにも適している。
小学校高学年から大人まで。
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★5  そんな風に見えたんだ 投稿日:2010/06/26
きのぴいさん 30代・ママ・栃木県  女の子4歳、男の子1歳
質問絵本
質問絵本 作・絵: 五味 太郎
出版社: ブロンズ新社
人によって考え方が違うんだという当たり前のことを、この絵本を通じて感じることができました。

みんなで1冊の本を囲んでああでもない、こうでもない。
そんな風に見えたんだと感じるとともに、友達同士の新しい一面を垣間見た気がします。

不思議なことに、毎回見るたびに自分の考えも変わっていたりして。
自分を見つめるきっかけにもなる1冊です。
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★5  おもしろい!! 投稿日:2010/06/26
きのぴいさん 30代・ママ・栃木県  女の子4歳、男の子1歳
挨拶絵本
挨拶絵本 作・絵: 五味 太郎
出版社: ブロンズ新社
この絵本、深いです。
たくさん、たくさん考えました。

そうですよね、挨拶って相手によって臨機応変に変えなければならないんですよね。
真剣に悩んで考えました。

あまりに面白いので、中学校の道徳の授業で使ってみました。

生徒の反応も上々。
五味太郎さんのほのぼとした絵と、ユーモアのある展開に子供たちの口もいつもより軽くなりました。

こんなにもりあがった道徳の授業は久しぶりです。

絵本は奥が深いですね。
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★5  機関車の迫力は圧巻 投稿日:2010/06/25
ちひろ。さん 20代・ママ・愛知県  女の子0歳
あこがれの機関車
あこがれの機関車 作: アンジェラ・ジョンソン
絵: ロレン・ロング
訳: 本間 浩輔 本間 真由美

出版社: 小峰書店
黒人奴隷の少年の夢の喪失と再生を描いた作品。
2003年のゴールデン・カイト賞【絵本・絵部門】受賞作。

とにかく絵が素晴らしい!
特に表紙にもなっている見開きの機関車の迫力は圧巻!
重いものを背負った内容を、深く力強い色づかいの絵がしっかりと受け止めている。

小学校高学年〜大人向けの絵本。

ロレン・ロングはイラストレーターとして活躍中で、雑誌の「フォーブス」や「タイム」にもよくイラストが掲載されている。

彼の絵本の邦訳はこれが一冊目だが、今後は絵本作りに意欲を見せているとのこと。
次作にも期待したい。
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★5  日々を生きづらいと思っている女子中高生に 投稿日:2010/06/24
ちひろ。さん 20代・ママ・愛知県  女の子0歳
よろこびの歌
よろこびの歌 出版社: 実業之日本社
音楽科の受験に失敗し、新設の女子高に通うことになった玲。
自分の歌への自信喪失と、世界的なヴァイオリニストの母へのコンプレックスとでがんじがらめになり、何からも距離を置いた日々を送っていた。
しかし、クラス合唱の指揮者に突然指名されてから玲の生活は変わり始めた…。

表題作「よろこびの歌」ほか、合唱をきっかけに交流し、少しずつ変わっていく少女たちを描く。

自分の気持ちは他の人なんかにはわからない、と思う。
特に中高生時代はしばしばである。
でも、他の人の気持ちだって自分にはわからないのだ。
実はみんな同じような気持ちを抱いているのかもしれないし。

意外と周りの人々から見えているものの方が「自分の本質」に近いのかもしれない。


少し日々を生きづらいと思っている女子中高生に読んで欲しい本。
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★5  素晴らしい絵の世界(☆7つ) 投稿日:2010/06/22
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
ちいさなまち
ちいさなまち 作・絵: ふじたしんさく
出版社: そうえん社
この絵本に限って言えば、言葉はいらないと思えるくらい絵の描写が圧巻なのです。

水に囲まれた小さな町を兄妹が散歩しています。
風景がどんどん変わって行くのですが、すべて水面の向こうに描かれています。
主役は水面の向こうの町ではなくて、水面に映った町なのです。
水面に映った町はいろんな表情を見せてくれます。
風に吹かれたり、水鳥が泳いだり、雨が降ったり…。
日が暮れて、なんとなく妹が不安になって行く様も水面に映っているようです。
小さな町は、気がつけば小さな島でした。
まあるい島は、大きなバースデーケーキに変わります。
ミゴト!!!

藤田さんの着想と、絵を描いているアングルに脱帽。
まずはだまされたと思って、眺めて欲しい絵本です。
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★5  独創的な世界 投稿日:2010/06/22
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
鉄のキリンの海わたり
鉄のキリンの海わたり 作: あさばみゆき
絵: 石ア正次

出版社: BL出版
港で働くクレーンが鉄のキリン。
そのキリンのじいさんが人さらいから逃げてきた男の子を背に乗せて、男の母親の住む国を目指して海を渡ります。
切なさと思いやりのあふれたファンタジーです。
ニッサン童話と絵本のグランプリ童話大賞受賞作とありました。
多分アマチュアのお母さんだからこそ生まれた独創性なのでしょう。
実感違和感を覚える部分があります。
しかしそれを包み込んでしまうものがあります。
海中で身動きの取れなくなってしまった鉄のキリンのじいさん。
それでも満足そうに海の中に立ち続けています。
作者がキリンに寄せる思いが伝わってきました。
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★5  明治維新時代の貧農と開拓移民 投稿日:2010/06/20
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
おまつり村
おまつり村 作: 後藤竜ニ
絵: 岡野 和

出版社: ポプラ社
山形の貧しい山村を題材にした、明治維新当時のお話です。
貧しい山村では、武士の社会が終わって暮らしが楽になるのかと思ったら、暮らしは苦しくなるばかり。
おまけに自分たちの山を権力の所有にされてしまいました。
そのまま山の木を伐採していたら見つかって長次郎は囚われてしまいました。
仲間の名前を明かさぬために拷問にあった長次郎は、出所したら村では阻害されてしまいます。
言いようのない重いお話ですが、これは実在の人物を題材にした本当の話。
この絵本の救いは題材になった七つ森の村が祭り好きで、世直し一揆でも祭り姿で参加するような村であったことと、中でも長次郎がとてもユーモアと男気のある人物だったこと。

それでも、貧しさのゆえに一家は近くの村民家族とともに北海道に開拓移民として旅立ちます。
苦難を祭りで乗り越えていくところがとても感動的です。
今、自分たちが生きている社会は、そうした過去に築き上げられたものだと理解しなければいけない。
残念ながら絶版のようですが、自分たちの時代をさかのぼるお話って、子どもたちにとってとても重要なのではないでしょうか。
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★5  遠い国から、遠いようで近い国。 投稿日:2010/06/21
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県  女の子15歳、女の子10歳
ポルトガルのごはん
ポルトガルのごはん 作: 銀城康子
絵: マルタン・フェノ

出版社: 農山漁村文化協会(農文協)
このシリーズは私と上の子が大好きです。
ポルトガルは大航海時代から、日本の国にも「食文化」をたくさん残してくれているのが、この絵本で改めて分かりました。そして、その名前も微妙に変化して日本語っぽい名称になっていたんですね。

ポルトガルの家庭の台所によくある魚が「バカリャウ」という魚の干物だそうで、
塩加減(水抜き)には、ちょっとこだわりがあるようです。
遠い国が、こういう本に触れることで遠いようで近い国になる気がします。
興味のある人はぜひ、読んでほしいです。
学校の調べ学習なんかでも使ってほしいシリースです。
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★5  うちの子は「ねこまた」が好き。 投稿日:2010/06/21
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県  女の子15歳、女の子10歳
ムジナ探偵局(7) 完璧な双子
ムジナ探偵局(7) 完璧な双子 作: 富安 陽子
絵: おかべ りか

出版社: 童心社
うちの下の子くらいが一番お薦めの年齢だと思いますが、絵が不気味すぎると、元が怖がりなので、読もうとしません。
上の子は、中学生ですが、面白がって読んでます。特にときどき出てくる「ねこまた」が、上の子のお気に入りです。

この作品は表題作のほかに「わらう幽霊」という話が載っていて、私は個人的にはそっちの話の方が好きだったな。
むかし話から持ってきたオチが付いてるし…。確か、似たような話を聞いたことがあります。

ムジナさんと源太少年は、回を重なるごとにいいコンビになってきている気がします。
「ムジナ探偵局」シリーズはぜひ、全巻通して読んでみてほしい作品です。
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★5  常念の邪念と小心 投稿日:2010/06/21
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
のら犬
のら犬 作: 新美 南吉
絵: 鶴田陽子

出版社: 大日本図書
見方によってはいろいろな捉え方ができる絵本かも知れません。

碁の好きな常念御坊は、隣村で檀家相手にうった碁の負け方が気になってしょうがありません。
帰り道碁のことばかり考えながら歩いて行くと、きつねに似たのら犬がついて来る。
やせてあまり食べていないような薄汚れた犬が気になってしょうがない。
どうして薄気味悪いと思ったのでしょう。
帰り道は遠く、夜も更けてきました。
茶屋でだんごを買って、借りた提灯。
寂しい道で、後ろからついて来るのがのら犬ではなく、きつねに思えてくる。
しかも、女に化けたりして。
寺にたどりついた常念御坊は、ついてきたのら犬を小僧に追い払わせるのですが、食事をして人心地つくと、のら犬にした仕打ちが申し訳なく思えてくるのです。

のら犬はいったい何だったのだろう。
常念御坊はどうしてのら犬をおそれ邪けんにあしらったのだろう。
考え方はいろいろでしょうが、とても意味深い本です。
鶴田さんの木版画が、どうしてものら犬を悪者にしてしまうように描いているのですが、のら犬はお礼を言われる故はあっても、何も悪いことをしていないのですよ。

読み返すごとに味わいのある絵本です。
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★5  住井すえさんのたなばたさま 投稿日:2010/06/20
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
たなばたさま
たなばたさま 作: 住井すゑ
絵: 滝平 二郎

出版社: 復刊ドットコム
住井すえといえば、名著「橋のない川」の長編を思い出します。
そして、牛久沼と部落解放運動のイメージが強いのですが、絵本作品もあったのだと驚きました。
そして絵が滝平二郎。
たまらない組み合わせです。

お話の舞台は意外にも中国。
牛飼いとおり姫が兄妹だという話にも驚きましたが、数奇な運命の後に七夕のお話につながっていることに、とても印象深く読みました。
評判の高い領主であった父親が、隣の領主に襲われるところから話が始まります。
兄妹は川下に逃げ、子どもを逃がした母親は父の最期をみとるために館に戻ります。
母親は死に星になります。
母親の言いつけに従い、川下の領主に奴隷にしてもらう兄妹。
どうして奴隷なのだろう?
奴隷の身分から牛飼い、おり姫になる展開に住井さんらしさを見つけました。

七夕は哀しいお話であるから、年に一度の星空を期待されるのでしょう。
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★3  読み物として楽しみたい 投稿日:2010/06/15
ちひろ。さん 20代・ママ・愛知県  女の子0歳
新13歳のハローワーク
新13歳のハローワーク 作: 村上 龍
出版社: 幻冬舎
『13歳のハローワーク』7年ぶりの改訂版。
旧版と同様、「何に興味があるか」から職業を分類・紹介している。

たくさんの職が掲載されているが、それぞれは概要紹介のみであり、「どうしたらなれるか」ではないので注意。
世の中にどんな職があるかを知りたい場合に向いている。
それ以上については、個々の「なるには」ブック等を参照のこと。
また、項目によっては「そんな説明でいいの?」と思うようなものもあるので他の資料と併せての利用がおすすめ。
(少なくとも自分の職業の項目は、それが本質ではないのに…と感じる紹介だった。)

分類と紹介の文は面白く、読み物しても楽しめる。
特に、間に挟まれる村上龍や各分野の専門家によるエッセイは、それだけでも読む価値がある。

ただし、文章は硬め。難しい熟語も多い上にフリガナはない。
現実の13歳がどれだけ読めるかは疑問。
実は大人用の本なのかもしれない。
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★5  狂気の時代と人間の崩壊 投稿日:2010/06/20
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
岩波少年文庫 あのころはフリードリヒがいた
岩波少年文庫 あのころはフリードリヒがいた 作: ハンス・ペーター・リヒター
訳: 上田 真而子

出版社: 岩波書店
1週間違いで生まれた僕とフリードリヒの純粋でとても哀しい話です。
ユダヤ人として生まれたフリードリヒは、ナチス政権と戦争の中で時代に追い詰められていきます。
平和だった社会が崩壊していきます。
差別、偏見、…、人間の理性の崩壊が各章の日付とともに克明に描かれていきます。
とても哀しい話ですが、目をそむけることのできない現実です。
人間の心のもろさと、フリードリヒと僕の友情の純粋さの不変。
これまでに心にしみる話はないし、今の子どもたちに是非とも伝えたい話。

平和のように見えていて、現代社会においてなんと人間間の心の通い合いが希薄であることか。
最後に年表があります。
話の背景が裏付けられます。
この本が「岩波少年文庫」として出版されている意味の重要さを感じたいと思います。
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★3  一緒にゲーム攻略 投稿日:2010/06/15
ちひろ。さん 20代・ママ・愛知県  女の子0歳
都会のトム&ソーヤ(5) IN塀戸(下)
都会のトム&ソーヤ(5) IN塀戸(下) 作: はやみねかおる
絵: にしけいこ

出版社: 講談社
シリーズ第5巻の下。
「in塀戸」攻略編・後半戦。

上に続けて勢いがある。
宇宙人の正体やペンションの仕掛けの謎解きは弱い。
やはりこのシリーズはミステリというよりは、友情・冒険物だと感じる。

ちょっとした行動でシナリオは変わる。
それはまさに現実の世界でも言えること。
人生は自分で行ったあらゆる選択の結果である。
作者のメッセージがよくでている。

創也&内人の父たちの物語、真田女史の短篇も収録。
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★4  R・RPG開始! 投稿日:2010/06/15
ちひろ。さん 20代・ママ・愛知県  女の子0歳
都会のトム&ソーヤ(5) IN塀戸(上)
都会のトム&ソーヤ(5) IN塀戸(上) 作: はやみねかおる
絵: にしけいこ

出版社: 講談社
シリーズ第5巻の上。
栗井栄太のR・RPG「in塀戸(インベイド)」攻略編・前半戦。

フィクション(小説)の登場人物がフィクション(ゲーム)の世界で冒険するという二重仕掛け。
これまでは端々に見られる非現実性が気になったが、この巻はこの仕掛けのおかげで全く気にならず楽しんで読めた。

登場人物の動きが目に見えるような描写。
友達がプレイしているRPGを横で一緒に見ているような、ワクワク感がある。
シリーズ第1巻の勢いがよみがえった。

今まで解りずらかった「R・RPGとは何か」もよくわかった。
(TRPGをボード上ではなく現実の舞台で行うというものらしい。)
読んでいると自分もこのゲームをやってみたくなる。

下巻も期待。
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