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どうぶつのわかっていること・わかっていないこと

どうぶつのわかっていること・わかっていないこと(小学館集英社プロダクション)

『世界一受けたい授業』で紹介!京大の動物博士監修の「答えのない問いに向き合う力」を育てる新感覚の絵本

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どんなにきみがすきだかあててごらん

どんなにきみがすきだかあててごらん(評論社)

日本語版刊行30周年♪想いのつよさをくらべっこ♥

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12歳〜

6639件見つかりました

★5  圧巻。 投稿日:2010/04/08
ちゅら。さん 40代・ママ・千葉県  男の子13歳
ビッグブック しまふくろうのみずうみ
ビッグブック しまふくろうのみずうみ 作・絵: 手島 圭三郎
出版社: リブリオ出版
通常サイズの絵本でも迫力のある、手島圭三郎さんの版画。
ビッグブックでは、ただただ息をのむばかり。

しまふくろうの子どもがお父さんとお母さんに連れられて、
湖へ魚を獲りにやって来ました。
静かな山奥の湖で、静かなハンターとなるお父さんふくろう。

日暮れていく山の端や月の光で気温を感じます。
自然はもとより、しまふくろうの羽ばたきの風を感じます。
五感で感じる絵本です。

特に、しまふくろうのお父さんが魚を捕る場面は圧巻です。
子どもから大人まで、引き込まれることでしょう。
参考になりました。 2人

★5  楽しい木版画絵本 投稿日:2010/04/05
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
よるのとこやさん
よるのとこやさん 作: 垣内 磯子
絵: 村田 エミコ

出版社: フレーベル館
夜にだけ店を開けるとこやのキールさん。こうもりが来たりフクロウが来たり三日月までやって来ます。
そんなお話の中に夜の町のお店の風景、よるの景色が楽しく描かれています。
おはなしはシンプルですが、なによりぬくもりのある木版画を楽しめる絵本です。
彫刻刀の使い方でこれほどまろやかになるのですね。
参考になりました。 0人

★5  まさに「かしこい」ハムスター・フレディ! 投稿日:2010/03/27
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県  女の子14歳、女の子10歳
フレディ 世界でいちばんかしこいハムスター
フレディ 世界でいちばんかしこいハムスター 作: ディートロフ・ライヒェ
絵: しまだ・しほ
訳: 佐々木 田鶴子

出版社: 旺文社
中学生の上の子が、朝読用に読みました。
字の大きさや行間の感じからすると、出版社からのお薦めは、
小学校中学年から高学年くらいをターゲットにした児童書だと思います。
うちの子は動物の中でも、ハムスターと犬と猫が特に好きなので、表紙を見たときこれはイケる!と思って、図書館で借りてきました。

ハマりましたよ〜。とっても楽しかったそうです。
副題に「世界でいちばんかしこいハムスター」とついているだけに、
この本の主人公ハムスターのフレディは、人の言葉を「読む」ことを覚えて、理解ある(2番目の)飼い主マスター・ジョンのおかげで、パソコンまで使えるようになってしまう。というスーパー・ハムスターです。

これはドイツの作品で、なんと!ドイツ人はハムスター(特に「ゴールデンハムスター」)が大好きとか…。
どこまで本当の話かは知りませんが、
フレディや、周りの人たちの人格や動きがすごくわかりやすく描かれていて、楽しく読むことができました。
うちの子は脇役のモルモット、うたうのが大好きな「エンリコ」と「カルソー」が面白かったそうです。
この話はドイツの子どもたちに人気だそうです。
日本でも少し前まで(?)、ハムスターは人気ペットでしたよね?
(今でもうちの子どもたちは大好きで、我が家には常にハムスターが小族としているのですが)
ハムスターの好きなお子さんたちには、ぜひ!読んでもらいたい作品です。
フレディの堅実なようで、ハチャメチャん活躍を
たくさんの子どもたちに、楽しんでもらえるといいな。
参考になりました。 1人

★5  なんで絶版なの? 投稿日:2010/04/05
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
はなびのよる
はなびのよる 作: 梅田 俊作 梅田 佳子
絵: 梅田 俊作 梅田 佳子

出版社: 佼成出版社
花火の夜、返ってこない父母と、花火を見に行きたい3兄弟。
おじいちゃんの言葉で、暗い夜道の農道を花火を見に行くために3兄弟は家から暗い夜道を歩き始めます。
この絵本は、子どもたちの情景と親子の絆を、いろんな出来事の中で表現しています。
兄弟の心遣い、親子の愛情、同居の祖父母の心、そしてまだ自然と人が共和していた時代へのノスタルジー。
その中に家族やら、道徳やら、子どもの自意識やら、自分たちが育ち大切にしたきた、そして今では失いつつある心の原点を痛感するから、この絵本が過去形になってほしくないと思いました。
そして、今の子どもたちに伝える難しさも同時に感じました。
参考になりました。 0人

★5  俺と息子のいたずらきかんしゃです 投稿日:2010/04/03
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう
いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう 作・絵: バージニア・リー・バートン
訳: 村岡 花子

出版社: 福音館書店
絵本ナビで目にして、息子の部屋から持ち出しました。
子どもが幼稚園の時に、保母経験の知人から勧められて購入した1冊。私にも息子にも思い出いっぱいの絵本だったようです。

蒸気機関車のちゅうちゅう。機関車トーマスのように意志のある機関車です。
ある日、ちゅうちゅうは自分の意志で走りたいと思いました。
日頃ひいている客車を残して冒険の旅に出かけます。
人に迷惑をかけても、やんちゃのし放題。
二またにわかれる線路で選んだ道は列車の使わない廃線。
あまり話してしまうと申し訳ないほど盛りだくさんの絵本なので、後は絵本を見てのお楽しみ。

この絵本では、モノクロームの絵がとてもリズミカルな表現をしています。
原書は見ていないのですが、文章のリズミカルさと文章の取り込み方が、機関車ちゅうちゅうを印象づけるような取り込み方で、絵本にメロディーラインを取り込んでいます。
かたく考えると、ちゅうちゅうの行動は問題だらけなのですが、ちゅうちゅうの自立が印象的に描かれていること、取り巻く社会のことが描かれていること、絵本として見事です。

よく考えると、息子が幼稚園の時にはこのようなレビューは書けなかったと思います。
で、息子はというと…
ストーリーは知っているからと、取り合ってくれません。
息子の本棚に残されている『いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう』。
息子にも思い出があって、大切にしたいことがあるのでしょう。
今回息子に読むことは出来なかったけれど、息子にはこの絵本を通して大切な何かを持っていることがとてもうれしく感じられました。

とても良い絵本です。
多分お父さんと息子の接点になる絵本です。
どの世代で読むか、読み返すと息子と親父の語らいが生まれるような絵本です。
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★5  ゴリラと話し合える少年 投稿日:2010/04/03
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
おりの中の秘密
おりの中の秘密 作: ジーン・ウィリス
絵: 千葉 茂樹

出版社: あすなろ書房
言葉を話すことができないトムは、コミュニケーションに手話を使います。
社会の偏見の中で居場所を探すトムの行き先は動物園。
そして、手話でゴリラと話すことができるのです。
トムに妹ができました。友だちになったゴリラのザンジにもあかちゃんができました。
そのことで、トムとザンジは心通わせることができるのです。
あかちゃんを取り上げられたザンジの悲しみ。
トムは妹のデイジーをつれてゴリラのおりに入り込みます。
心の通い合い、子どもを思う母親ゴリラの愛情、すばらしい話です。
理解できない大人たち、聾に対する偏見、問題提起がされています。
そして、トムはこの大事件の中で、言葉を発することができました。
トムの成長、優しさが響き渡ります。
この物語の中の純粋な部分と、偏見社会の中に自分もいるのだと思いました。
とてもためになる本です。
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★4  アフリカシリーズのまとめ 投稿日:2010/04/03
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
あたらしいいのち
あたらしいいのち 作・絵: 吉田 遠志
出版社: リブリオ出版
「いなづま」で運の強さと宿命を感じさせたがくしゃヌーのその後のお話です。
恵みの雨の後で蘇生する大自然。
がくしゃヌーは再び仲間たちと合流し、リーダーとなります。
お腹にあかちゃんのいる母親ヌー。チータに襲われて死にかけたときにはがくしゃヌーが立ち向かいます。経験を通して強さを身につけていたのです。
これが単独行動のチータでなければ無理だっただろうと後書きに書いてありました。
野生の国での運命だと思います。
助けられた母親ヌーからやがて生まれてくる新しい命。
シリーズの中で象徴的な絵本です。

これまで読んできた吉田さんのアフリカシリーズの断片とつながるところがあります。
そして、シリーズの中で一番図鑑的な絵本です。
いままでに登場しなかったかえるのような大自然の生き物、植物、小鳥たちと様々なものがちりばめられています。
ただ、吉田さんの思いがあまったのか、チータに立ち向かうがくしゃヌーの表情は劇画調になってしまいました。このシリーズの中で唯一違和感を感じた一シーンです。
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★4  壮絶なドラマです 投稿日:2010/04/01
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
まがったかわ
まがったかわ 作・絵: 吉田 遠志
出版社: リブリオ出版
吉田さんのこのシリーズは、同じ話が別の角度から繰り返されるので、ふしぎな感じがします。
ライオンシリーズと一緒に読むと、ライオンの気持ちとヌーの気持ちを感じることができます。どちらも生きているのですね。
それにしても、今回のヌーの大行進は壮絶です。
群集で行動するヌーは、リーダーが行動の決定権を持っているようです。
川を渡ろうとするヌーですが、渡りやすい場所を選ぶのではなく急な場所を渡ろうとしました。
渡っているうちに斜面が崩れたものだから多くのヌーが犠牲になっています。
それでも続こうとするのはヌーの性格なのでしょうか。
皮肉にも多くのヌーを救ったのはライオンが襲ってきたこと。
犠牲になったヌーはいましたが、逃げ帰るヌーの姿にヌーの群れは引き返すことを気づいたのです。
大自然の壮絶なドラマですが、人間社会でもダブらせることができると思いました。
たとえば軍国主義の中で振りまわされた国民のように。

絵本を見ていても、私の頭の固さは変わらないようです。
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★5  軽妙なショート・ストーリーズ 投稿日:2010/04/01
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
ケイゾウさんは四月がきらいです。
ケイゾウさんは四月がきらいです。 作: 市川 宣子
絵: さとう あや

出版社: 福音館書店
時期が時期だけに心惹かれるタイトルでしたが、開けて思わずはまってしまいました。
ケイゾウさんは幼稚園で飼われているニワトリ。
ニワトリのケイゾウさんと、仲間に加わったうさぎのみみこちゃん、そして園児たちの繰り広げるコミカルなお話が続きます。
それも「ケイゾウさんは※※がきらいです」のセット。
ケイゾウさんが極めて人間的なのと、先生とのやりとり、園児たちの怖いくらいの無邪気さに振りまわされ、先生もふくめてドタバタなのですが、とてもほほえましいのです。
それにしても、滑り台から放り投げられたり、運動会で園児たちに引っ張り回されたり、過激なしうちに耐えながらきらいだ、きらいだといいながらも園児たちを暖かい目で見ているケイゾウさんは素晴らしい。
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★4  これは童話ではありません 投稿日:2010/04/01
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
竜のはなし
竜のはなし 作: 宮沢 賢治
絵: 戸田こうしろう

出版社: 戸田デザイン研究室
このはなしはおとぎばなしではありません。
最初にそう書かれていて、宮沢賢治の強い思いを感じました。
確かに、面白い本でもありませんし、オチがあるわけでもありません。
この本は自己犠牲を享受する竜のお話。
毒を持ち、怖いもののない、誰もがおそれる竜が、襲うのを止め、自分の皮を剥ぎ取られてもがまんする、虫に喰われてもがまんする、そして自分は死んじゃった…という話です。
死んだ竜はお釈迦様になりました。
これは悟りであって幸せとはかなり異質のことかと思います。
結論づけられているわけではなく、私は宮沢賢治の問題提起ととりました。
考える材料にはなりますが、子どもにとっても親にとっても安易な話ではないと思います。
戸田さんの絵も主張するのではなく、問題提起に参加しているように思いました。
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★5  こんな絵本にいやされるのでしょうか 投稿日:2010/03/31
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
海辺の町を走るバス
海辺の町を走るバス 作: 西本 鶏介
絵: 小林 豊

出版社: そうえん社
家業の漁師を継がないでバスの運転手になった男のお話。
海辺ののどかな風景、のどかな人間関係、なにかホッとするお話です。
その運転手さんが、踏切で線路を裸足で歩いていく老人を見つけました。
バスを止め、老人に駆け寄ります。
乗客もそれに気づいて追いかけます。
間一髪老人を助けた運転手さん。
電車に乗り遅れた乗客もあれこれ言わず拍手で運転手さんを受け入れます。

この本でいやされるのは、風景だけではありません。
こんなことって、現実にはあり得ないと思うから、読んでいてとても救われる気がするのです。
命の大切さ、人への思いやり、さりげなく伝えてくれる本です。
その場になったら他人の顔をしたり、こんな運転手さんにくってかかるような人ばかりを見ているので、そんな人にはならないように願いながら読んであげたい絵本です。
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★5  愛の極点!感無量です 投稿日:2010/03/30
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
クラウディアのいのり
クラウディアのいのり 作: 村尾靖子
絵: 小林 豊

出版社: ポプラ社
スパイの疑いで戦後のソ連で7年間もシベリアの収容所に入れられた日本人の実話。
収容所を出てからも日本に帰ることを許されず、連れてこられた村で知り合ったロシア女性とのお話です。
クラウディアも幼い頃、ロシア革命後の混乱の時期に両親を失い必死に生きてきた孤独の身。
クラウディアは、ヤコブとロシア名を名乗った彼の無実を信じ、お互いを思いながら結婚して生活してきました。

二人の生活だけでも感動のお話ですが、感動はさらにさらに続きます。
ヤコブには戦後捕らえられた時に生き別れになった日本人の妻と娘がいました。
そして、長い年月を過ぎた今でも日本で夫を待っていることが分かります。
クラウディアは「他人の悲しみのうえにわたしだけの幸福をきずくことはできません。」とヤコブを日本に送り返すのです。
自分はヤコブの思い出の中で生きていけるというのです。
これほどの愛があるでしょうか。

この絵本は、実話であり、クラウディアがヤコブとの別れに送った詩に基づいています。
最後にその詩の原文(ロシア語)と訳が載っています。絵本の文中にその詩の断片がちりばめられています。
クラウディア自身の言葉からこの絵本が成り立っているのです。
凄すぎます。
村尾靖子さんには詳しいノンフィクションがありますし、ヤコブ(蜂谷弥三郎さん)もこの話を本にしていますから読んでみて下さい。
後日、クラウディアはヤコブと再会しますが、それを知って「ああ、本当に良かった!!」と思いました。

この絵本、中学生の図書室だよりで中一の生徒が、お薦め本として感想を書いていました。大人の感傷的な感動だけではなく、子どもたちもしっかり受け止めることができることも判り、さらに感動です。
参考になりました。 2人

★4  ライオンシリーズのカップリング盤です 投稿日:2010/03/30
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
まいご
まいご 作・絵: 吉田 遠志
出版社: リブリオ出版
ライオンシリーズの「かりのけいこ」のストーリーをヌーの側から見たお話です。
シマウマやトムソンガゼルやゾウ、キリンも共存できるのに、ヌーは弱者なのですね。
ハイエナに狙われたり、ライオンに襲われたり。
集団で行動するヌーが生き延びる道は、誰かがおとりになって仲間を守ること。
お母さんがあかちゃんヌーのために取った行動。じつは、それであかちゃんヌーは迷子になってしまいました。
親からはぐれたあかちゃんヌーは生きていけない。
集団で川を渡るシーンは圧巻ですが、他のヌーに乗られたために溺れてしまうヌーもあるという野生の厳しさもあるのですね。
最後にお母さんヌーと巡り会えてホッとしましたが、この絵本は壮大なシーンが続くために、限られたページの中に押し込めてしまうには、ちょっと無理があるようにおもいました。
参考になりました。 0人

★5  懐かしさいっぱい 投稿日:2010/03/28
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
ふくのゆのけいちゃん
ふくのゆのけいちゃん 作・絵: 秋山 とも子
出版社: 福音館書店
住まいの回りの銭湯がまた一つまた一つとなくなっていきます。子どもは、スーパー銭湯やらラドン温泉やら娯楽施設化した公衆浴場だと思っています。
考えたら、我が家の風呂に浸かるのが当たり前。そしてご近所さんとの語らいの場が失われ、家族通しのコミュニケーションが薄らいできています。
銭湯はまさにコミュニケーションの場でした。
一人懐かしく思っていてもしょうがないのですが、昭和時代の銭湯の仕組みを知らなかった私としては発見の絵本でもありました。
女湯が出てくるのが少し恥ずかしくもありますが、自分の小さい頃は子どもは男湯と女湯を行き来していたことも思い出します。
銭湯の構造、銭湯の職業とする家族、銭湯に来る人たち、いろんなことが子どもにとって話の材料です。
じめじめしたいじめなんてなかったよな。
伝えたいことがいっぱい見つかった絵本でした。

おまけ:この絵本、構図の捕り方がバツグン。ものの見方の視覚、捉え方、視点、これってけっこう子どもたちにとって大事なことだと、読後思いました。
参考になりました。 0人

★5  誰もが知っている話だけれど 投稿日:2010/03/28
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
蜘蛛の糸
蜘蛛の糸 作: 芥川龍之介
絵: 遠山 繁年

出版社: 偕成社
誰もが知っているお話ですが、読み返してみると、単純でありながらとても意味深い話です。
極悪人のカンダタがただ一度、踏みつぶそうとした蜘蛛を殺さなかった「善意」をお釈迦様が認めて、地獄にいる彼に蜘蛛の糸をさしのべます。
どんなに悪い人間にも良心があるということでしょうか。悪行を尽くしても救われるという宗教の話でしょうか。
お釈迦様の好意は、カンダタには伝わりませんでした。
地獄のおどろおどろしさと、極楽のおだやかさ。他者を蹴落としても救われようとする人間の性。
自分を守ろうとするのは人間だれもが持っている本能です。だからこそとても怖いお話です。

遠山さんは、物語を絵の中に塗り込めることで、この物語をとても強烈なものにしました。
文章だけではなく、絵で語っているからです。
地獄の風景、蜘蛛の糸を伝ってあとから登ってくる亡者たちの表情は怖いくらいです。
そして、対比するように極楽のおだやかさ。
低学年には少し刺激の強い作品となっているかもしれません。
参考になりました。 1人

★4  「自然界で生きていく強さ」が 投稿日:2010/03/21
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県  女の子14歳、女の子10歳
おおはくちょうのそら
おおはくちょうのそら 作・絵: 手島 圭三郎
出版社: リブリオ出版
これはまた、切ないお話でした。
でも、かわいそうという同情の目で書かれたものではなく、
「生きる」って、こういうことなんだ。と、伝えてくれている絵本のような気がします。
手島圭三郎さんの絵本をこのところいくつか読みましたが、北国の生き物たちを主人公に、
それぞれの絵本で、「自然界で生きていく強さ」が描かれていました。

この絵本では、最初から身体を壊していた子どもの白鳥が、死んでしまってもなお、その白鳥の家族が子どもを残し旅立っていくので、
こうしたことを理解できる年頃になってから、触れてほしい1冊です。
やはり、小学校の中学年(4年生の終わり)、高学年以上のお子さんにお薦めします。
参考になりました。 1人

★5  一途な思い 投稿日:2010/03/27
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
スズの兵隊
スズの兵隊 作: アンデルセン
絵: マーシャ・ブラウン
訳: 光吉 夏弥

出版社: 岩波書店
クリスマスのプレゼントにもらった、スズの兵隊。
一人だけ片足がない兵隊。その境遇にはいろいろな思いが込められているのだろう。
その兵隊が、紙でできたバレリーナ人形に恋をします。
何も言わず、ただ見つめるだけの恋。
いろいろな冒険をして、また元の場所に戻る幸運もあったけれど、今度は暖炉の中に投げ入れられてしまいます。
人間の身勝手と、スズの兵隊のプライドが強調されるシーン。
風に吹かれて暖炉に飛び込んだ紙のバレリーナも一緒に燃えていきます。
溶けてハート形の固まりになった兵隊。飾りを残して燃え尽きた人形。
これは幸せなことなのだろうか。
アンデルセンが持ち込んだ仕掛けによって、奥深さ、様々な思いを与えてくれる絵本でした。
参考になりました。 1人

★5  一生大事にできること 投稿日:2010/03/26
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
あたまにつまった石ころが
あたまにつまった石ころが 作: キャロル・オーティス・ハースト
絵: ジェイムズ・スティーブンソン
訳: 千葉 茂樹

出版社: 光村教育図書
石に魅せられたお父さん。
はたから見たら変わり者だけど、仕事がなくても、貧乏しても、それこそ「頭の中には石ころがいっぱい」。最後には、認められて科学博物館の館長にまでなりました。
実話であり、娘が書いた絵本。彼女にとって父親は素晴らしい人なのです。
その作者のキャロル・オーティス・ハーストも「頭の中に本がいっぱい」で、学校図書館の司書になったそうです。
夢を持つことは素晴らしいことだと語ってくれています。
この絵本は、苦労話でもあるのですが、それに打ち勝つだけの夢を持ってもらいたいと思いました。
参考になりました。 2人

★4  きれいな日本語で書かれています。 投稿日:2010/03/20
てんぐざるさん 40代・ママ・埼玉県  女の子14歳、女の子10歳
ひかりの星
ひかりの星 出版社: 新学社
上の子が興味を示して「ひとりで読む。この作者って、誰?」というので、本を渡した時「“泣いた赤おに”を書いた作者だよ」と、答えたら、びっくりしていました。
「泣いた赤おに」は日本の昔話だと思っていたそうです。
私もかなり最近まで、そう思っていましたけど…。
海外で「泣いた赤おに」は日本文学の英訳として、とてもポピュラーな作品らしいです。(話が逸れました)

後書きを読むと、この浜田広介という方はアンデルセンやトルストイの文学を読みふけって楽しんだようです。
なので、昔ばなしぽい物語性や、語り口調はそれらの作品から身につけられたのでしょうね。

1話1話はとても短いもので、文章の言葉がとてもきれいな日本語で書かれていることに一番驚きました。
きれいな日本語で書かれているのに、ちっとも堅苦しくなく、
すごく読みやすかったことも!

1人読みなら、小学校低学年から高学年までお薦めします。
優しい童話が多いので、この作品はどちらかというと、女の子の方が好みかもしれません。
参考になりました。 0人

★5  孤高のヌーの力 投稿日:2010/03/26
ヒラP21さん 50代・パパ・千葉県  男の子13歳
いなびかり
いなびかり 作・絵: 吉田 遠志
出版社: リブリオ出版
今回はヌーが主人公。片目のハイエナやおとうとライオンが登場するので、ライオンシリーズの番外編です。
いつも大群衆で行動するヌー。その先頭を行くがくしゃヌーがハイエナたちの罠にかかります。仲間から離され、ハイエナの集団に取り囲まれたがくしゃヌー。
緊張感とスピード感のある展開。勝ち負けではなく、逃げるしかないヌーだけにハラハラして読みました。
ヌーの速さが勝って、ハイエナの輪を突破したがくしゃヌー。
おとうとライオンに遭遇して、今度はダメかと思った時のいなびかり。
ヌーの力が神を呼んだようなお話でした。

でも、ヌーは仲間のところに戻らなければ、回りは敵ばかり。
絵本を読み終えて、がくしゃヌーの無事を祈っている私でした。
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